第五十五話 ここでまたあのフラグかよ!
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のことも知らなかった……? ならホントに……?」
闘悟には声が小さ過ぎて聞こえないが、確かに真剣な表情で呟いている。
「お〜い」
「ねえ!」
「おっと!」
いきなり詰め寄られたので驚いた。
「な、何だよ?」
「これから幾つか質問するから答えなさい」
「え〜」
「いいから答えなさい!」
「ご、強引だな」
「いいから答えるの! 分かった?」
有無を言わせないその態度に、闘悟は仕方無く頷いた。
「それじゃ聞くわ。この世界の名前は知ってる?」
「『ネオアス』だろ?」
「それくらいは知ってるようね」
「まあな」
「……だったら、シュレイエ国は?」
「知らねえ」
「……」
彼女は闘悟の顔を凝視している。
そんなにジッと見られると、何か変な感じだけど、コイツは多分オレが嘘を言ってるかどうか判断してるみてえだな。
「それなら……」
それから幾つか質問をされたが、ほとんど知らないことばかりだっだ。
「う〜ん、どうやら常識が無いみたいね。アタシの顔見ても何も言わないし……」
「しょうがねえだろ。この世界に来て、まだ一月も経ってねえんだからさ。つうか、お前の顔が何だって?」
だが、彼女は思案顔で黙っている。
オレの質問はスルーなのか?
そして、急にこちらに顔を向ける。
「……ねえ、もう一度あの魔力見せて?」
「は? ここでか? つうかオレの質問に……」
「早く!」
おいおい、頼んでるのか命令してるのかどっちなんだよ。
まあ、別に隠そうとしてるわけでもねえからいいけどな。
闘悟は溜め息を吐き、彼女に少し離れてるように言う。
そして、彼女が離れたのを確認してから、魔力を解放する。
サービスして五パーセントくらい出す。
まあ、何のサービスかは分からないが。
すると、彼女はキラキラした目で見つめてくる。
何だろ一体?
魔力を抑えると、彼女が足早に戻って来る。
「ねえ! アンタ、アーダストリンクに来る気は無い?」
「……はあ?」
いきなりの勧誘に、今度はこっちがポカンとなる。
「その格好見ても、騎士でもなければ、貴族でもないでしょ?」
「ま、まあそうだけど」
こんなジャージ姿の貴族や騎士がいるなら見てみてえしな。
「なら来なさい! アーダストリンクは良いところよ!」
「ちょ、ちょっと待て!」
「何よ?」
「いきなり何だそれ? アーダストリンクに来い? アーダストリンクの国民になれってか?」
「そうよ? 何か問題でもあるの?」
「オレはもうグレイハーツ国民だぞ?」
「そんなの、手続きして国民登録し直せばいい
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