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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
常識の埒外に生きる少女
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たからといって、二度と会わない保証なんてどこにもない。
私の過去を語る気はこれから先もないが、趣味の晒し合いのような他愛のない会話なら問題はない。

「私は別に構わないが………若い子がこんな天気のいい日に会話ひとつで過ごすなんて早いんじゃないか?」

「じゃあ、お散歩しながらで!お弁当でも作って、川辺で涼みながらなんていいですよね」

「そ、そうだな」

妙な気合いの入りように内心引いてしまう。
一体何が彼女をここまでさせるのだろう。
私との会話が楽しみなのか、ピクニックが楽しみなのか。

「じゃあ、準備しますね!」

「手伝おう」

「いえいえ、大丈夫です。シロウさんは私のお弁当を楽しみにしていて下さい!」

早苗は私の答えを聞くよりも早く、厨房へと賭けだしていった。
一方的とは思ったが、ここはお言葉に甘えよう。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「―――それで、やっぱり私も現代っ子ですから?ゲームとか大好きなんですよ。でも、幻想郷に来る際に置いて来ちゃったんですよ。どういう世界かは諏訪子様から教えられていたので、荷物になるだけだと思って………。でも、普通に機械技術あるじゃないですか!つまり電気だってあるって結論に到るのが当然ですよね。あー、失敗したなぁ」

げんなりと肩を落とす早苗。
あれから妖怪の山を自由に散歩しながら早苗の話を一方的に聞き続けている。
話し足りないと言わんばかりに先程から饒舌なせいで、こちらが口を挟む余地がないだけなのだが。
それにしても、とても感情的に話す。
穏やかな気質の中にも幼さが残っていたことは理解していたつもりだったが、こうまで喜怒哀楽を表に出す子だったとは。
曲がりなりにも年上が相手だというのに、気後れもしていない。
神という上位存在と接したことがあるからこその胆力なのだろう。

「あっ………ごめんなさい。私ばっかり喋っちゃって。シロウさんも何か聞きたいことがあれば遠慮無くぶつけていいんですよ?」

思い出したかのように主導権を譲ってくる。
聞きたいこと、か。
確かにあるが、あまりにも不躾なものもある。
取り敢えず、当たり障りのなさそうなものから選んでいこう。

「なら、君は幻想郷に来る前はどんなことをしていたんだ?神職をしていたのは想像できるが―――」

一瞬、早苗の肩が震えた気がした。
彼女の僅かな機微が、私の言葉を止める。
それを交代の合図と捉えたのか、少し間を置いた後、ぽつりぽつりと語り出す。

「外では神様のような、存在しているかどうかが不確定な事象に対しての信仰が薄いのは知っていますよね?ですので、私は幼い頃から布教のために各地を転々としてきました。お二方は本殿から離れられないので、叔父である元神主と一緒でした。お二
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