暁 〜小説投稿サイト〜
とある星の力を使いし者
第180話
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


そう言い残して、麻生は裏路地を歩いていく。
少ししてから、怒鳴るような声が聞こえ、道を塞いでいた人の壁は移動して見えなくなった。
上条は麻生の事を心配したが、すぐに振り払う。
自分よりも確実に強く、頭が良い麻生だ。
きっとうまく切り抜ける筈。
今は彼が作ったチャンスを無駄にしたら、意味がない。
五和もそれを分かっているのか、辺りの気配を感じながら絹の糸から出る。
二人は教皇庁宮殿に向かって足を速める。



細い裏路地を暴動達を惹きつけるように、敢えて姿を見せて注意を引き付ける。
しかし、どんどん行く手を塞がれていき、最後には完全に逃げ道を失う。
左右と前方を道から、人の壁が押し寄せてくるが、麻生は足に力を込めてその場で跳ぶ。
能力を使って、人間の脚力では跳べない高さまで跳び、背にしていた建物の屋上に着地する。
押し寄せた暴動は屋上にいる麻生に向かって、届かないと分かっていても必死に手を伸ばしたり、落ちている石を投げてくる。
その眼は血走っていて、完全に正気を失っているようにも見える。
最後に一瞥してから屋上を走り抜け、能力を使って開けた道に着地する。
暴動に影響か、車や辺りの家は燃えていたりボロボロに破壊されていたりと、ひどい状況になっている。
こうなると分かっていて、C文書を使ったのとなると胸糞悪くなってきた。

(とりあえず俺も教皇庁宮殿に向かうか。)

屋上にあがった時に、既に位置と方角は確認してある。
すぐに向かおうとしたが、近くの路地裏から五人の屈強な男達が出てきた。
手にはパイプやナイフなど鈍器や刃物を持っている。
麻生の人相や服装は知れ渡っているのか、姿を目にした瞬間。

「あいつだ!!」

「殺せ、殺せ!!」

殺意の籠った大声をあげて、彼らは麻生に向かってくる。
無理に戦う必要はないので、後ろに下がって逃げようとするが、後ろの路地から声を聞きつけて八人の男達が出てきた。
タイミングといい、また監視され暴動の流れを操作しているのだろう。
逃げる事は難しいと判断した麻生は担いでいた上条と五和の擬態を解く。
急に人が消えたのに、男達は驚く事無く麻生から視線を外さない。
興奮して常識外の現象を目の当たりにしても、重要性を理解していないので気にはしていない。
能力を使えば逃げれるが、最悪魔術師との戦闘を備え、出来る限り使用時間は節約した方が良い。
前後からパイプを持った男二人が、麻生の顔を撲殺しようと躊躇いなく横一閃に振う。
麻生はしゃがみ、前でパイプを振るう男の腕を下から掴み、軌道を変える。
その先は後ろから後頭部を狙っていたパイプの軌道。
二つのパイプはぶつかり合い、渾身の力で振ったので振動が腕に伝わり、自然とパイプを離してしまう。
身体が硬直した瞬
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ