第3話 第二次レンスプルト星域会戦
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隊を翻弄していたものの、堅実な用兵をするマルゼアスを中々崩せずにいる。
スプレイン、オルメ両艦隊は未だに動かない。
並みの将であればこの状況に焦りを感じ、焦燥感に駆られて前進か後退を命じていただろう。
だが、ロイエンタールは特に焦りを感じていなかった。
経験上、このような膠着状態はいつか解ける。
動くのはその時だ……と。
故に、ロイエンタールは艦隊を完全に統制しつつ的確な火力の集中によってオリアス艦隊に出血を敷いていった。
・・・・・
戦況が変わったのは、11日に入ってからのことであった。
ミッターマイヤーがマルゼアス艦隊の各所に小さな突破口を開き、それらの点を線に繋いで一挙に前進を果たしていた。
「敵が侵入してきます!」
「く、いったん後退せよ」
形勢不利とみたマルゼアス大将は艦隊をいったん後退させる。
「今だ、ワルキューレを出して前方の敵艦隊を蹂躙せよ!」
マルゼアス艦隊が後退したことで、敵艦隊の連携が一時的に途絶したことを見抜いたロイエンタールは、この気に攻勢をかける。
無論、オリアスとて一流の将帥。
敵が攻勢に転じてくるのは予想していたが、オリアスとロイエンタールの力量はほぼ互角。
もしくは、経験の差でロイエンタールといったところである。
であれば、上手くチャンスをものにした方が主導権を握るのは自明の理である。
戦いの趨勢は帝国軍に傾きつつあった。
「殿下、このままでは……」
「仕方無い、オルメ艦隊に入電。敵の側面を突け……とな」
オリアスはこの流れを変えるため、予備兵力であるオルメ艦隊の投入を決める。
帝国軍も予備兵力を出してこれを防ぐだろうが、オルメ艦隊との戦力差は3000隻前後。
十分に勝機はあると踏んでいた。
「ほう、ここで切ってくるか。スプレイン艦隊に抑えさせろ」
ロイエンタールも、予備兵力としていたスプレイン艦隊を投入する。
元々、こんなときの為に温存していた部隊だ。
ここで切らない手は無い。
激突した両艦隊はやはり数の差で勝るオルメ艦隊が押しつつあり、今にもスプレイン艦隊を突破しそうな勢いである。
スプレイン艦隊の中央は大きく下がり、もうすぐV字形になろうとしていた。
「ん? いや、待て」
ここでオルメは敵が意図的にV字型の陣形を構築しつつあることを悟った。
その証拠に、目の前の艦隊は崩れかけているにもかかわらず、その行動は妙に秩序立っている。
「ちっ、なかなか侮れん。いったん進撃中止だ」
オルメ艦隊が突撃を中止したことによって、オリアスは継戦か撤退かの決断を迫られることになった。
このまま戦闘を継続しても無意味な消耗戦でしかない。
しかし、撤退もま
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