第75話 邪悪なる光、打ち砕け!偉大な勇者よ
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光景は甲児の脳内に戦慄を覚えさせた。奴の攻撃は装甲など全く無視した攻撃をしてくる。
あの攻撃には超合金ZもニューZも関係ない。
内部に入り込んで爆発させる能力を有しているのだ。
あんな物が命中してしまえばそれこそマジンガーZと言えども只では済まない。如何に外部装甲が超合金ニューZで武装されたとしても内部から破壊されたのでは意味がないのだ。
「くそっ、チマチマ戦ってられねぇ!」
無駄に時間を長めたらこちらが不利になる。一気に勝負をつけるしかない。
再度、怪物が光の矢を放ってきた。幸い発射のタイミングはどうにか確認出来る。奴は目や口からそれを発する事が出来るようだ。
矢の速度こそは早いが発射までに若干タイムラグが発生するようだ。
避けるのはどうやら容易なようだ。
怪物の頭上を飛び越えて、そのまま背後に回りこむ。
「化け物め、これでも食らいやがれ!」
甲児の叫びと共にスイッチを押し込む。Zの両胸の放熱板が発熱し、熱線が放たれる。
真っ赤な熱線ブレストファイヤーが怪物の背面に直撃する。
妙だった。
本来ならブレストファイヤーを食らった敵はドロドロに溶けていく筈だ。なのに、目の前の怪物は全く溶ける素振りが見られないのだ。
一体どういう事だ?
甲児の疑念はその後に衝撃に変わった。怪物の背丈がどんどん大きくなっていく。
最初はマジンガーZより一回り位大きかった程度の怪物が徐々に大きくなり、遂には二回り、三回りほどなまでに大きくなっていったのだ。
「甲児さん! あの怪物、マジンガーのエネルギーを!」
「くそっ!」
咄嗟に甲児はスイッチを切った。しかし、敵に相当なエネルギーを分け与える結果となってしまった。
怪物が振り返ってくる。その姿は更に禍々しい姿となっていた。
悪魔を模した顔はそのままに、胸部には更に八箇所もの丸い吸盤の様な突起が姿を現していた。
恐らく、其処からも先ほどの矢を発する事が可能なのだろう。
「何てこった。奴の体はバリアの変わりになってるんだ。その上エネルギー系の武器を吸収して成長しやがるなんて」
どうやら奴に光学系の武器は効果がないようだ。返って敵の成長を促す結果となってしまう。
かと言ってミサイルなども効果が薄いようだし、殴り合いなど問題外だ。
奴の光の矢を諸に食らいに行く羽目になってしまう。あんな物を食らえばマジンガーなど一発で粉砕されてしまう。
「どうする、どうすれば奴に勝てるんだ?」
打つ手がなかった。攻め手を封じられ、対抗する手段がなくなってしまったのだ。
怪物の大きな手が振り上げられる。Zを叩き落そうと振り上げたのだろう。
そうは行くか!
あべこべに腕を切り落とすつもりでジェットスクランダーの翼を怪物の手首に向けてぶつけた。
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