第五十四話 あんま考えんな! 楽に行こう!
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顔だけ上げて闘悟の方を見る。
まあ、当然の質問だよな。
さて、何て答えようか……お、ちょうどいい!
闘悟はポケットからギルドカードを出して見せる。
「ギルド登録者……?」
「そうだ」
「……え?」
「どうした?」
いきなり眉間にしわを寄せた彼女に対し首を傾げる。
「え……Fランク……ですって?」
「まあな」
「ま、まあなじゃないわよ!」
いきなり大声を放つのでビックリした。
「な、何だよ?」
「Fランクって何? アンタ、アタシをからかってんの!?」
「はあ? からかってなんかねえって!」
「じゃあ、どうしたらFランクがAランクの魔物に勝てるってのよ!?」
闘悟は彼女の勢いに押され、仕方無く説明することにした。
「そ、そんな……今日初めて登録して……初めての依頼がCランクで……倒した魔物がAランクで……ああもうわけが分からないわ……」
「まあ、そういうこともあるって」
「あってたまるもんですか!」
「いや……でも事実だしな……」
「……ん? それじゃ来る途中に倒されていた魔物もアンタが?」
「ああ、証拠もあるぜ」
そう言って、ポケットから改変魔法で小さくした討伐部位を見せる。
「……何これ?」
「ん? ああ、ちょっと待ってな」
闘悟はもう一度改変魔法を使って元に戻す。
「ええっ!?」
もちろん説明しましたよ?
まあ、ポカンとして聞いていたけどな。
「……ね、ねえ?」
「何だ?」
「も、もうこの勢いで聞いてみるけど、ここに来る途中に感じた、異常な魔力って……」
「うん、オレだな」
「……」
「あ、ちなみにこの傷も、オレの能力で治った」
闘悟はさっそく不死の能力が役に立ったことに満足していた。
普通ならあの時、闘悟はガルーダに胸を貫かれた時、死んでいたかもしれない。
だが、今はもう傷も塞がっている。
これは、自身を不老不死にした恩恵(おんけい)だ。
「もう……何を驚いていいのか……どうしたら致命傷の傷が一瞬で治るのよ……はぁ」
「ま、楽に行こうぜ!」
「……」
すると、彼女は諦めたように肩を落としながら溜め息を吐く。
「もういいわ。まだいろいろ聞きたいことがあるけど、とりあえずは仕事しなきゃいけないし」
「仕事?」
「ええ、アタシがここに来たのは、生物調査の依頼を受けたからよ。どうやら、その正体はあのガルーダだったみたいだけど……ホント生きてることが不思議だわ」
「へぇ、じゃあオレと同じか」
「同じ?」
「ああ、オレもこの『アクォース山』にいる巨大生物の調査依頼を受けて来たんだよ。でも依頼が重なること
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