第15話
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ど」
予想するに、白兎は、ゼロに慈しんでもらいたかったのだろう。他愛ない嘘で、ゼロに自分を見てもらいたかったのだろう。
女は『女』を武器にできる。涙も然りだ。
但し、それが裏目に出て、今回の事態になったわけだ。
呆れを通り越して笑いすら出てくる。
「まあ、それがゼロなんだろう?お三方がよくご存じの」
「む〜。言われてみれば〜」
「だから、行きな。ゼロに嫉妬されたら困る」
右手で追い払う仕草を見せて、ガールフレンド達をゼロの席へ向かわせる。
件のゼロは、こちらを見ようとしない。自分が間違ったとは、思っていないようだ。
織斑先生が教室に入ってくる。
今後の事を考えながら、織斑先生の声に耳を傾けた。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
昼休み、珍しく一夏から誘われたので、共に屋上で昼食のご相伴に預かっていた。
「で、丹下、あんたどうするの?」
「どう、とは?」
「グランツの事。あれだけ好き放題言われて殴られて、何もしないとは言わないわよね?」
凰の笑みに凄絶さが含まれている。好意を持つ一夏がアソコまでやられれば、そうもなるか。
「凰の言いたいことは分かる、けどな、ゼロは変わらないよ」
あの男は決して譲らない。全てを破壊し、自らを通す、そんな男だ。
加えて、奴は織斑先生と同格の適性を、この学園屈指の才覚を有している。
凰とオルコットが組んで挑んでも、勝ち目は一割あるかどうか。
それほど奴は強力で、タチが悪いのだ。
「だが、それでもやる。あの面ひっぱたき返さないと、沽券に関わる」
凰に言われなくとも、俺は最初から再びゼロに挑むつもりだった。
「それなら安心。一夏だけだと不安だからね」
「おい鈴、それはどういう意味だ?」
「そうなると、特訓だね」
「そうなるな。暫くは俺は見るだけになるが…」
「丹下はダメージが大きい。万全になってからでも遅くはない」
「そうです。一夏さんの方が課題が多いですから」
シャルルの特訓の言葉に、不甲斐なさを感じたが、篠ノ之やオルコットの励ましで気持ちが軽くなった。
逆に、一夏は落ち込んだが。
「となると、今は一夏か。一夏の戦い方は接近一辺倒だから…、」
一夏の大まかな動きを思いだし、チェックしていく。
「ま、今のままを貫いて大丈夫か」
不器用な一夏に戦術は似合わない。長所をより尖らせた方が一夏は強くなる。
「じゃあ、ガンガン行こうぜ、一夏!」
「あ、ああ!トモ!!」
一夏を促し、屋上を去る。目標はゼロ・グランツの打倒、やるは一夏の特訓。
必ずゼロにリベンジする。胸に熱い想いを秘め、篠ノ之達と一夏の特訓に力を振るうのであった。
…一夏は相当地獄を見て
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