第15話
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い!トモは、最高の動きをしていた、俺が足りなかったんだ!」
俯き、悔やむ俺を一夏は励ましてくれた。自分だって、辛いのに。
「なあ、トモ…、悔しいよ…」
「…一夏…」
一夏の肩が、震えていた。俺は、黙って続きを聞く。
「トモが託してくれて、追い詰めたのに、届かなくて…、俺は、…俺は…っ…!」
「良いんだ一夏。…良いんだ」
嗚咽が混じり、言葉に詰まる一夏の肩に右手を置き、喋らなくて良いと伝える。その気持ちは、同じだから。
啜り泣く一夏の肩に手を置いたまま、俺も涙を流す。
部屋に男の泣く声が二つ響く。部屋の外の姉たちは、俺達が落ち着くまで、外で待っていてくれた。
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一夏が意識を取り戻した事もあり、篠ノ之達は安堵していた。
俺は俺で真琴をあしらうのに気をとられ、一夏と彼女達が何を話したかは知らない。
そのまま暫く俺達の部屋で篠ノ之達は騒いでいたが、年長者である姉の怪我人に無茶させない、の一声で解散、部屋には再び一夏と俺だけになった。
「一夏、月末のは大丈夫そうか?」
「月末の?ああ…。白式に問題はない」
「そうか…。俺は、無理そうだ」
左腕の怪我もだが、それ以上にISの損傷が激しい。修復が間に合いそうにない。
「トモ…」
一夏の表情に翳りが出来た。そんな表情はしてほしくない。
「ISと怪我が治るまでは、少しだけ休息だな」
思い返せば、四六時中ISの事にかまけて、自分を労って無かった気がする。今は、体を休めるのもいいかもしれない。
「トモ…。そうだな!そうだ!俺の動きはどうだった?俺としては…」
「そうだな…、あそこでああ動いたから…」
お互い、ちょっと前まで意識を失っていたのに、ゼロとの戦いを考察していた。
時間を忘れて、一夏と論議していたら、いつの間にか声が大きくなってしまい、近隣の部屋の生徒から苦情が来てしまった。
その後、そんなに元気なら問題ない、と笑われたが。
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怪我はしていたが、生活に支障をきたす程度ではないので、一夏と共に教室に入ると、生徒達が一斉にこっちを見た。
大半は、大丈夫か?と無事を確認するのだが、例外に、
「一刻も早く復活しろ。決着を付けられない」
忌々しそうに吐き捨てるボーデヴィッヒがいる。
「追々機会があれば、な」
言葉を濁し、自らの席につく。すると、ゼロのガールフレンド達が来た。
「丹下さん…、その…」
「良いんだ」
何か言いたそうな宮間さんを遮る。ゼロとの一件は済んだ事だ。その背景に何があろうが、事実は変わらない。
「それにしても酷いよ…。ゼロってばハクトの嘘を真に受けて…」
「ま、そうだとは思ったけ
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