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ハイスクールD×D 〜銀白の剣士〜
第5話
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―イッセーは」

 兄さんの質問に、リアス先輩が答えようとしたがやめた。何かが近づいてきている。

「不味そうな匂いがするぞ? でもうまそうな匂いもするぞ? 甘いのかな? 苦いのかな?」

「はぐれ悪魔バイザー。あなたを消滅させにきたわ」

 出てきたのは、上半身裸の女性に獣の下半身をした悪魔だった。これは視覚的にきつい。

「主のもとを逃げ、己の欲求を満たすためだけに暴れまわるのは万死に値するわ。グレモリー公爵の名において、あなたを消し飛ばしてあげる!」

「こざかしいぃぃぃぃぃ! 小娘ごときがぁぁぁ! その紅の髪のように、お前の身を鮮血で染め上げてやるわぁぁぁぁ!」

 吠える悪魔相手にリアス先輩は、鼻で笑うだけだった。

「祐斗!」

「はい!」

 祐斗が駆けだす。僕との試合の時なんかより断然速い。

「祐斗の役割は「騎士(ナイト)」、特性はスピードよ」

 祐斗は徐々に攻撃の速度を上げていく。兄さんは目で追えないだろうが、僕はまだ目で追えた。はぐれ悪魔も持っている槍で攻撃するが、全く当たる気配がない。

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」

 接近して、はぐれ悪魔の両腕を切り飛ばす。血が噴き出していた。

「次は小猫。あの子の駒は『戦車(ルーク)』。戦車の特性は怪力を屈強な防御力」

 いつの間にか、はぐれ悪魔の足元に移動していた小猫ちゃん。

「小虫めぇぇぇぇぇぇぇ!」

 はぐれ悪魔は足で踏みつぶそうとするが、足は受け止められ、徐々に持ち上げられていく。足をどかした小猫ちゃんは、ジャンプして、はぐれ悪魔の腹を殴った。

「・・・・・・・ふっ飛べ」

 かなりの大きさを持ったはぐれ悪魔が、後方へ大きく吹き飛ぶ。

「最後に朱乃ね」

「はい、部長。あらあら、どうしようかしら」

 ゆっくりと倒れているはぐれ悪魔のもとへ歩く朱乃先輩。

「朱乃は『女王(クイーン)』。『兵士(ポーン)』、『騎士(ナイト)』、『僧侶《ビショップ》』、『戦車《ルーク》』、すべての力を兼ね備えた無敵の副部長よ」

「ぐぅぅぅぅぅ・・・・・」

 朱乃先輩を睨みつけるはぐれ悪魔。

「あらあら、まだ元気みたいですわね?」

 そう言って、雷がはぐれ悪魔に落ちる。悲鳴を上げるはぐれ悪魔。

「あらあら、まだ元気そうですね?」

 再び、雷を落とす。感電するはぐれ悪魔。それにもかかわらず、朱乃先輩はまた雷を落とした。

「グァァァァァァァァァ!!」

 よく見ると、朱乃先輩は笑っているようだ。楽しんでいるのだろう。

「朱乃は魔力を使った攻撃が得意なの。そして彼女は究極のSよ」

 兄さんは怯えているようだ。確かにあれは怖い。


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