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。警戒してるアルフに『そのままその子を見張ってて』そう念話を送って、私はジュエルシードの封印に臨む。あの全身が真っ黒な子は言っていた。時間移動の能力を持つジュエルシードの暴走体だと。

(どう攻略すればいい・・・?)

接近したら問答無用でどれくらいの時間かは判らないけど過去に戻される。

「(なら魔法は・・・?)バルディッシュ。フォトンランサー」

≪Photon Lancer Multishot≫

フォトンスフィアを4基展開。「撃ち抜け、ファイア!」一斉に放つとジュエルシードを取り込んでる時計が発光した。周囲の空間が歪んで、時計の文字盤が浮き上がった。よく見れば、長針と短針が反時計回りにクルクル回ってるのが判る。
ランサーは歪みの中へ消えて行った。待ってもランサーが出て来ないところを見ると、発射されていない時間にまで巻き戻されたんだと思う。ランサーの発動の為に消費したはずの魔力が元に戻ってるし。

(射撃魔法じゃダメだ・・・)

だったら。“バルディッシュ”をデバイスフォームに戻して、先端を時計に向ける。威力だ。きっと威力が足りないんだ。・・・と、ふと気づく。

(見られてる・・・?)

あの黒い子が私の動きを見てるのが。仮面の所為で顔も目も見えないけど、確実に見られて・・・観察されてる。あまり手の内を見せたく・・・あ、そうか。どうして私に封印を譲ったのかが判った。

(私の、魔導師としてのレベルを測るため・・・?)

だとすれば、今の私はかなり不利なことをさせられているんじゃ・・・。今後の争奪戦のことを考えれば、一方的に私の得意な魔法などを知られるのはまずい。準備しようとしていた魔法、サンダースマッシャーの構築を破棄。私が魔法を破棄したことで『どうしたんだい? フェイト』ってアルフから念話。

『私、あの子に観察されてる。下手にカードを切れない』

『ええ!? あ、そうか。アイツ、なんであんなに余裕なのか不思議だったけど。汚いマネをする奴だねぇ・・・。じゃあやっちまおうよフェイト! あんな奴、ラクショーだよ!』

やっぱりそれしかない、のかな。あまり人を傷つけたくないのが本心。でも母さんが待ってる。ジュエルシードを。期待してくれてる。私が回収して帰って来るのを。だから・・・これはしょうがないことなんだ。黒い子をキッと睨み付ける。“バルディッシュ”を改めてサイズフォームにして、臨戦態勢。

「なるほど。気付いたわけか。私の目的を。ちょっと見入り過ぎたかな」

黒い子もまた構えを取って臨戦態勢。グランフェリアを倒すために開発し続けたアルフとのコンビネーションなら、確実に撃墜できる。フォトンスフィアを5基展開。するとあの子の足元に銀色に輝くミッド式の魔法陣が現れて、左腕を空に掲げた。


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