暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epic7金の閃光・運命来たる〜The CharioT〜
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魔力反応。しかも攻撃の魔力。あまりに突然の出現だったため、「くそ・・・!」回避はおろか防御も出来なかった。出来たのは首だけを振り向かせることだけ。背後から私を襲ったのは砲撃の魔力光は銀色。術式名はコード・アダメル。そう、私が先ほど撃ったアダメルだった。
「ぐっ・・ああああああああ!!」
自分が撃ったアダメルの直撃を受け、私は懐中時計を飛び越え、十数mと先に在った人口池にダイブ。膝下辺りまでしかない水量だからこそ落下の衝撃は抑えきれず、底に全身を強打。人工池内を何度かバウンドして・・・「がはっ・・・!」ようやく止まった。
「いたたた・・(恐れ入った・・・。これは空間転移じゃなくて時間移動だ・・・)」
魔法での転移ならすぐに気付ける。そこには必ず気配も魔力反応もあるからだ。だが、時間移動に関してはさすがの私も経験が少ないために察知するのが難しい。
「接近したモノ全ての時間を戻すジュエルシード、か・・・」
痛む体を労わることもせずに私は立ち上り、人工池から上がる。全身がびしょ濡れで気持ち悪いが、万が一なのは達が来たらと考えると脱げない。仕方がないと諦めてこのままで回収を続行だ。とは言え、「さて、どうするか」悩みどころだな。出来ればなのは達やスクライア姉妹が来る前に片付けたい。が、手遅れだったようだ。空に2つの魔力反応。
(しかも・・・この魔力は・・・! まさか、もう出て来るのか・・!?)
あまりに懐かしく、絶対に忘れることも間違えることもない彼女たちの魔力が、この場に向かって降下してくる。頭上を見上げ、肉眼で捉える、闇夜に紛れるほどの黒衣、しかしそれを照らすかのような美しい金の髪。手にするは雷光の刃を持つ戦斧。彼女の隣にはオレンジ色の毛並みを持つ大きな狼が1頭。すでに私の姿を捉えているようで、かなり殺気立っている。
(フェイト、アルフ・・・!)
地面に降り立った彼女たちとジュエルシードを挟んで対峙する。アルフはいつでも私に飛び掛かるほどに後ろ足に力を籠めている。そんなアルフに待ったをかけるように彼女の頭を撫でるフェイトは懐中時計を一度見やった後、私を見詰めてきた。
(またその虚ろな瞳を見ることになるとはな・・・)
フェイトの母、プレシアへの怒りが再燃してくる。今すぐにでもフェイトを抱きしめたい。そんな想いに駆られてしまう。だがそれは出来ない。この世界のフェイトは、私の愛したフェイトじゃない。そしてこれからも愛することが出来ない。心を鬼にして、打倒するべき競争相手だと思わなければ。
「ジュエルシード。私たちが頂いていきます。抵抗しなければ攻撃しません。でも、抵抗するなら・・・仕方ないけど・・・」
「あたしのマスターは強いんだから、負けて泣いちまう前に大人しく引き下がりなッ!!」
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