第二十六話 江田島へその二
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「それはやっぱりな」
「大阪よね」
「こっちよね」
「まあ今あたし等神戸にいるけれどな」
しかし関西だ、それならだ。
「それでもお好み焼きっていったらな」
「大阪ね」
「その焼き方よね」
「あっちも確かに美味しいさ」
美味いことは美味い、だがそれでもだというのだ。
「あれは広島焼きなんだよ」
「お好み焼きじゃない」
「そういうことね」
「モダン焼きに出来なくて何なんだよ」
美優は店の壁の品書きにあるモダン焼きの欄を見て言った。
「お好み焼きじゃないだろ」
「モダン焼きね、これもないとね」
「やっぱりお好み焼きじゃないわよね」
「大阪はそれが出来るんだよ」
だからお好み焼きだというのだ。
「中に入れてな。挟んでなんてな」
「違うわよね」
「それは」
「全然違うよ、まあ食べてみたいけれどさ」
美優は少し照れ臭そうに笑った、そのうえでの言葉だった。
「あっちのもさ」
「美味しいことは美味しいし」
「だからよね」
「そうだよ、 美味いことは事実だよ」
その広島のお好み焼きもだというのだ。
「広島も美味しいもの多いんだよな」
「前が海だしね」
里香がこのことを言う。
「牡蠣だけじゃなくて」
「海の幸も豊富なんだな」
「江田島でもね、後江田島は馬刺しもあるから」
「ああ、それもなんだ」
「何故か江田島の居酒屋には馬刺しが多いの」
よく置かれているのだ。
「それでそこに海上自衛隊の人達が入ってね」
「飲んでるんだな」
「それで江田島だから」
「海軍兵学校のあった場所だよな」
「今は海上自衛隊幹部候補生学校ね」
「だからか」
「そう、私達が江田島に行く時も」
その時もだというのだ。
「あそこで訓練受けている学生さん達がいるから」
「未来の海軍士官さん達がいるのね」
「自衛隊だから幹部だけれどね」
里香は琴乃に微笑んで話した。
「その人達がいるの」
「あそこって確か映画でも何度でも使われてるけれど」
景子はかつてそうした映画を観ていた、兵学校を舞台にしている映画ではロケ地として使われてきているのだ。
「あそこでなのね」
「そう、赤煉瓦の場所でね」
まさにそこで、であった。
「皆さん頑張ってるのよ」
「あの制服?白ランの」
彩夏は目を輝かせて服の話をした。
「やっぱりあれ着てるの?」
「白ランって。それはね」
里香はその表現に少し笑って言った。
「ちょっとね」
「駄目なの?」
「古くない?うちの学校の制服でもあるけれど」
そして着ている男子生徒もいる、八条学園は様々な制服があり各自で選んで着ているのだ。しかも複数選んでもいい。
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