第一物語・後半-日来独立編-
第三十一章 辰の地、戦火は走る《2》
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ら待機中で、何時でも騎神が出せる準備は済ましているようだ。
三人の容態は悪くなさそうだ。確認し、御茶丸は彼らと会話をする。
「ご機嫌如何ですかあ? 皆の衆」
『消えろ』
一言だけ言って、映画面に彼らが映らなくなった。
通信不良ではない。彼方が映画面を割ったためだ。
「ええ!? 酷すぎませんかね、その態度……」
「さっきのだったら、これが普通の態度だと思うよ」
拭い、笑みを無理につくる明子の言葉に、頷いて納得する。
「なるほど、これはツンデレと言うものですか。仕方ありません、付き合ってあげましょう」
「違うと思うよなあ……」
無視し、映画面を表示する。
当然、先程の三人組だ。
「ツンデレに構うこっちの身にも――」
再び映画面が割られた。
しかし同じ手は食わない。すぐに新たな映画面を表示する。
「話が一向に進まないんですが」
『無駄口を叩くからだ』
突き返すような口調が聞こえ、彼方の雰囲気を理解する。
三人の内、二人は黙ってはいるが表情が固い。
張り積めた雰囲気を出しているもう一人によるものだろうと、すぐに解った。
そんな彼に言葉を向ける。
「ご機嫌斜めのようですね」
『当たり前だろ。なんで黄森の奴らなんかと一緒に戦わねえといけないんだ』
「それが今後の辰ノ大花のためですから」
『俺はお前が気に食わねえ、小等部の時から何考えてんだか分からねえお前がな。俺達の長が殺される場所を殺す側の黄森と一緒に守るだと? ざけんなよ、そんなに織田瓜に憑いた天魔が――』
「幾ら黄森だからと言って、その発言は織田瓜を汚すことになりますよ」
『あいつらのことなんか知るか! 俺は俺達の長が救われればそれでいい。生きていたいと思えればそれでいい。そんな意志すら持たせねえ黄森なんかクズ以下だろうが!』
三人の中央に立つ金髪の少年が、怒鳴るように声を上げる。
そんな彼を止めようと二人の内、緑髪のチャラそうな男子が肩に手を置き止めようとするが、その手は乱暴に払われた。
止められないと解り、仲間の二人はこちらに頷く。
彼を冷静にさせてくれ、そんな意味が込もったものだ。
一息入れ、声のトーンを落として冷静になるように促す。
「いいですか? 国を存続させること、地域を守ることはそう単純な話ではないんですよ。
確かに長は神人族であり、竜神の血が流れ、竜神を宿せる唯一の存在であるため私達より価値のある存在でしょう。そんな長が今頃、生きたいと言っても黄森は許してくれません」
『仲間を殺されたからだろ』
「それもありますが、その前に黄森は神州瑞穂の代表です。黄森が存在するお陰で他国との無駄な争いが起こらないのも事実。しかし、そんな神州瑞穂の代表である黄森はそれなりの“立場”と言うものを他国に示さねばな
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