第四章 空白期編
第九十八話 『愛の証明編 ライゼルという男の過去』
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った。
そして座で僕はこの復讐劇はどうして始まったのかを自問自答した。
そしてついにたどり着いた。
“そうだ。衛宮士郎さえいなければ…”
それが僕が座で願った願いだった。
そして此度召喚され、衛宮士郎がこの世界にいると知った時は歓喜した。
また殺せることができると。
◆◇―――――――――◇◆
「…それが僕、ライゼル・S・クロウリーの過去だ。どうだ? 笑えるだろう?」
「…いや、笑いはしない。私もかつて闇の書というロストロギアとして色々な人の運命を狂わせてきた…だから笑うことはできない」
「そうか。まぁ、いい…ところであの衛宮士郎について聞かせてくれないか?」
「一体なにを聞くというのだ…?」
「今のやつはまだ踊らされている道化なのか、それとも芯の通ったまっとうな人間なのかを」
すると彼女は柔らかい笑みを浮かべて、
「…ああ。今の士郎のあり方はとても嬉しいものだ」
「なぜだ…?」
「お前は知らないだろうが、士郎はかつて“正義の味方”を目指していた」
「正義の、味方…?」
「そうだ。それは養父である衛宮切嗣から受け継いだという話だがな…」
それから聞く。
彼女が聞いた衛宮士郎の半生を。
その変わっていった心のあり方を。
そして『すべてを救える正義の味方』から様々な経緯をえて変り、今は『大切なものを守れる正義の味方』を心新たに志しているということを…。
「確かにお前の世界の士郎は正義の味方を最後まで突き通していたのだろう…。
だが今の士郎はあり方が変わってきている。主だけでなく私すらも助けてくれた。
そんな男だからこそ私は士郎に恋をした。そして結ばれた…」
彼女は幸せそうにそう話す。
「そうか…。もう、やつは僕が殺した衛宮士郎とは別人なんだな?」
「ああ。確かに並行世界を辿ればお前が殺したいと思う衛宮士郎も見つかるだろう。
だがこの世界の衛宮士郎はもう危うくない…。むしろ応援したいと思う。だから私は生涯を手助け出来たらいいと思った」
この話しを聞いて僕は悟る。
この世界で僕の復讐は意味を無くしたということを。
だがここまでやってタダで終わらすことなど僕のプライドが許さない。
だから衛宮士郎に問い詰めよう。
お前の覚悟は本物なのか? 本当に貫き通せるものなのかを。
「僕は衛宮士郎に問う事にする」
「なにを…?」
「お前を守るものとしてふさわしいかを…? お前の信念は本物なのかを。
それによって僕は見届けるか殺すかを決める。
それで…もし相応しいものだったのなら…僕は身を引こう」
「アヴェンジャー…感謝する。それでも士郎は必ず私の下にやってくる。だから…」
「ああ。騎士の誓いによって約束しよう」
そして僕は居場所がすぐに
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