第四章 空白期編
第九十八話 『愛の証明編 ライゼルという男の過去』
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最初で最後の吸血をした。
「カレン……僕はこれから君の仇を取るために君の血を吸わせてもらう。
だからこそ此処に誓う。僕はこの先誰の血も吸わない。
君が言った『何度生まれ変わっても僕を探して好きになる』その言葉を信じて生まれ変わった君ともう一度会うまで何百年、何千年たっても………決して吸わない。
それが僕の正義で……愛だから」
その誓いと共に。
それから悪魔との契約で不死身の力も得た。
衛宮士郎を動かしていた魔術協会、そして聖堂教会に復讐するために同志を集めた。
過去、置き去りにしてきた鍛えて得てきた様々な技や術も復讐の一念で磨き直して過去以上の力を得た。
僕の武器である『紅蓮』と『月下』の封印していた特殊能力も解放した。
そして復讐を果たすためにまずは僕を外道という魔術協会の魔術師の違法を暴き、そして貶め最後には命を絶つ。
それを何度も繰り返した。
その都度で何度も追っ手をかけられたが迎撃して打倒してきた。
悪魔の力で強化された愛馬の“斬月”とも一緒に駆け抜けて敵をその蹄で殺してきた。
そんな事を繰り返してきて次第に同志は増えてきた。
恨みを持つもの、親や子供を殺されたもの、罪を擦り付けられたもの。
理由は様々だが共通する想いはただ一つ。
“復讐を…!”
それだけが僕達を突き動かした。
部下や配下も増え、僕達の組織は鮮血の騎士団と呼ばれるまでに膨れ上がり、ついに表舞台に上がり一大決戦を起こした。
「いくぞ! 我が同志達よ。今こそ決戦の時だ!!」
「「「「「イエス! マイ・ロード!!」」」」」
僕達は果敢に魔術協会と聖堂教会に戦いを挑んでいった。
だが所詮は少数部隊だった僕達は一人、また一人と志半ばにして倒れていき最後の一人となって、なんて無謀な戦いを挑んでしまったのかを後悔した。
しかし僕には不死性の力があった。
だから最後まで戦いぬこうと駆け抜けた。
が、
「狂王…ライゼル・S・クロウリー。埋葬機関第七位、弓のシエルがあなたを裁きます」
でかいパイルバンカーを持った女が僕へと向かってきた。
それでも僕には敵わない。殺してやる…!
その意気込みで挑んでいったがそのパイルバンカーを打ち込まれた途端、
「がはぁっ! なっ!!? さ…再生…できない!?」
「私の第七聖典にかかれば造作もありません」
「……おっ…おのれっ…ま…まだだっ…まだっ…わたし…たちは……ふく…しゅうを…はたし…て…いな…い」
「無駄です。あなたの魂はもう復元不可能です。静かに眠りなさい…」
「カ…レ……ン」
彼女の名前を最後に呟き、僕の魂は再生することを否定されたかのように消滅した。
それが僕の最後だと気づいたのは『座』に祭り上げられたと知った後だ
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