第四章 空白期編
第九十八話 『愛の証明編 ライゼルという男の過去』
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は人間と吸血鬼のハーフだという事も教えた。
それでも彼女は僕のことを受け入れてくれた。
でも僕はやはり怖かった。
所詮は吸血鬼。
だからいつ血を欲しがってしまうかもしれないという恐怖で。
それで彼女に別れ話を持ちかけた。
「カレン……僕と別れよう」
「え…………? ちょっと待って!……どういう事!?」
「カレン……前に話しただろう? 僕が……人と吸血鬼のハーフで…………化け物だということを」
「たしかにそう聞いたけど……でも! 私はそんなことは気にしてないって言ったはず「だからだよ!!」……え?」
僕は彼女に背を向けて、
「僕は今でも君が好きだ…だからこそ僕は怖いんだ! いつか君の血を吸って君を同じ吸血鬼に…………化け物に変えてしまうのではないかと思うと僕は怖くてたまらないんだ!!」
そう言った。でも彼女はそっと背中から僕を優しく抱きしめてくれた。
「大丈夫。貴方がどんな存在でも貴方は貴方。私はライだから好きなんだよ……」
「カレン…………」
「それに貴方は化け物なんかじゃない。優しい人よ」
「っ!!」
「だってそうでしょう? 貴方は家族を失って傷ついても誰かを助けようとしたり、今も私を守ろうとしている!
何度でも言うわ。貴方は心優しい人だからっ…だから…うっ…化け物なんて…言わないで………自分を……傷つけないで………」
「カレン………」
僕が振り返り、彼女と目を合わせる。
「だったら、此処で誓う」
「ライ?」
「僕はこの先、我が生涯を懸けて誰の血を吸うことは決してしない。僕は人として君を護り、君と共に生きていく」
「ライ………」
そして僕と彼女は抱きしめ合った。
「カレン……愛してる」
「ライ……うん。私も……貴方を愛してる」
そして僕達は相思相愛になり結婚も認められて彼女が学校を卒業したら結婚しようという約束さえした。
その後、何事もなく彼女は学校を卒業して僕と一緒に故郷のイギリスへと旅行にいった。
それまでは幸せだった。
でも運命は残酷だった。
突如として襲いかかってくる衛宮士郎。
彼は僕に言った。
「お前は違法な人体実験の研究をしている死徒だ。
魔術協会からもお前のせいで涙している人がたくさんいるとも聞かされた。
そしてそれによって表に出る事もない人の名前も出ている始末だとも聞いた。
だからここで見逃すわけにはいかない。ここで討伐させてもらう…!」
そんな事実はないはずなのに彼は僕達を襲ってきた。
おそらく彼も魔術協会に騙されて僕達に襲いかかったのだろうと誤解を何度も解こうと試みた。
でももう手遅れだった。
彼の目には僕を殺すとしか感じられない殺意しか映っていなかった。
だから僕は自衛手段として彼を殺す決断をした。
た
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