第四章 空白期編
第九十八話 『愛の証明編 ライゼルという男の過去』
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Side アヴェンジャー
衛宮士郎と一緒にいた女性を誘拐してからしばらく経ち、僕は少しばかり後悔していた。
アヴェンジャーのクラススキルである【復讐概念】。
これがある限り僕は復讐者が近くにいると狂気が増し思考が単純化してしまうからだ。
あの衛宮士郎は私の知るエミヤシロウとは違うようだった。
だから悩む。
もしかしたら僕はあの時のエミヤシロウと同じことをしているのではないかと…。
そこで連れの女性が目を覚ました。
「ここは…ッ? 貴様は!」
「落ち着け…今お前をどうにかしようとなどは考えていない」
「どういう事だ…?」
誘拐してきた女性は僕に警戒心を顕にして睨んでくる。
まぁ、それもしょうがない。
信用してくれとは言わない。
だが、
「少しばかり僕の昔語りを聞いてくれないか?」
「なぜだ…?」
「聞いてもらいたいんだ。かつてエミヤシロウの手によって狂わされた僕の過去を…」
「…いいだろう」
女性は何度か表情を変えたが、でも聞いてくれるようだ。
「感謝する…そう、昔に一つの混血の家族がいた」
◆◇―――――――――◇◆
僕の生まれは中世イギリス、人間の母と吸血鬼の父、そして妹のアイリス・S・クロウリーの四人家族。
吸血鬼という身分を隠しながらも静かに暮らしていた。
母は人間であり寿命で早く死ぬ運命であったけどそれでも幸せに暮らしていた。
だが僕の18歳の誕生日の日に急に吸血鬼としての殺人衝動が目覚めてしまいまずは母を、次には抵抗してきた父を、そして…最後には愛しの妹を、この手にかけてしまった。
正気に戻った時にはもう手遅れで僕は一夜にして全部を失ってしまった。
それから僕は誰の血も吸わずに己の罪を償うために旅に出た。
世界各国を旅してふと一つの想いが生まれた。
この力は人々を救うことに使おうと。
それが贖罪の道につながると思った。
そしてその間に何度も戦を経験し義がある方に参入し勝利をもぎ取って力をつけていった。
人助けも続けていき次第に僕は名も知れ渡り僕の考えに賛同してくれた吸血鬼や死徒、人間の同志達も増えた。
しかし、そんなものは増やしてはいずれ破滅を招くと思い現代社会に入る前に解散した。
そしてまた一人旅を続けていきその間に一人の少女と出会った。
「君の名を教えてくれないか…?」
「カレン…カレン・シュタットフェルト」
愛しいと思う人との出会いであった。
最初はどうして付きまとうのか不審がられたがしだいに僕に心を開いてくれるようになり、とある事件…。
そうだな。誘拐事件といえばいいか。カレンは名家の生まれでお嬢様だった。
それで誘拐され僕がそれを助けた事によってカレンの家族にも気に入られて付き合い出すようになった。
当然僕
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