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剣の丘に花は咲く 
第一章 土くれのフーケ
第四話  誓い
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授業を中断してしまってすみませんミセス・シュヴルーズ。どうぞ授業を続けてください」

 士郎に促されると、シュヴルーズは震える手を叩き授業の再開を宣言した。

「……で、では、授業を始めましょう」

 気を取り直すように一度、二度と顔を振ると、シュヴルーズは杖を振り、机の上に数個の小石を出現させた。

「自己紹介が遅れましたが、私は今年度からこの学院に赴任しました、ミセス・シュヴルーズです。属性は『土』。二つ名は『赤土』のシュヴルーズ。これから一年、皆さんに『土』系統の魔法を講義します。では早速ですが、一年次の復習です。魔法の四大系統はご存知ですね?」

 シュヴルーズの質問に、金色の巻き髪にフリルのついたシャツを着た気障な少年が挙手し、立ち上がった。

「はい。『火』『水』『土』『風』の四つです。ああ、そしてなんたる奇遇! 僕の系統もミセスと同じ『土』! 二つ名を『青銅』のギーシュ・ド・グラモンと申します。お見知りおきを」

 ギーシュは芝居がかった口調で流麗に答え、ポケットに入れていた薔薇をくわえてシュヴルーズに流し目を送ると、満足したように席に着いた。

 随分と仰々しい奴だな。俺が原因とは言え、この状況下でこの振る舞い……大物なのかただの馬鹿なのか……ただの馬鹿だな。

 まだ凍ったような教室の雰囲気の中で、まるでそれに気付いていないとでも言うように振舞うギーシュを見て、士郎は何とはなしに過去の悪友を思い出した。
 だがこれが幸いしてか、シュヴルーズはギーシュのこの振る舞いに調子を取り戻し、気持ちを一新すると講義を続けた。

「ありがとうございます、ミスタ・グラモン。 先ほどミスタ・グラモンが言った四つと、今は失われた系統魔法である『虚無』を合わせて全部で五つの系統があることは、皆さんも知ってのとおりです。そして、五つの系統の中でも、『土』は最も重要なポジションを占めていると私は考えます。それは、私が『土』系統だからというわけではありませんよ。私の単なる身びいきではありません」

 ここでシュヴルーズが重々しく咳をする。

「そも『土』系統は、万物の組成を司る重要な魔法です。この魔法がなければ、重要な金属を作り出すことも、加工することもできません。大きな石を切り出して建物を建てることもできなければ、農作物の収穫にも手間取ることでしょう。このように『土』系統の魔法は、皆さんの生活に密接に関係しているのです」

 士郎は得心がいった。ハルケギニアでは、この世界での魔法は彼の世界での科学技術に相当するらしい。メイジが貴族として支配階級にいるのは、彼らが人間の文化的・文明的な社会生活を営むために欠かせないからだろう。
 そう理解した士郎は、遠坂が以前言っていた、「魔術は過去に疾走するもの
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