第一章 土くれのフーケ
第四話 誓い
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ルケに頭を下げた。
「す、すまない、ミス・キュルケ。実はこういったものは初めて見たもので、ルイズの身が危険だと思い、つい攻撃してしまったんだ」
士郎の心底謝っている姿を見たキュルケは、激しく動悸する胸を抑えながらも、なんとか落ち着きを取り戻すと士郎に向きなおった。
「いえ、ミスタ。大丈夫ですよ、あたしのフレイムはこのぐらい何とも有りませんから。それにミスタは、自分の主を守るために行動したのですから、誇るこそすれ、謝るようなことはありませんよ」
キュルケはそう言って、笑いながら首を振った。
「すまない。そう言って貰えたら助かる」
士郎も笑いながら手を出した。
「衛宮士郎だ」
キュルケはそう言って差し出してきた手を握りながら、自分の自己紹介をした。
「キュルケ・アウグスタ・フレデ リカ・フォン・ アンハルツ・ツェルプストーよ。気軽にキュルケって呼んでくださって。ミスタ―――シロウ」
士郎はキュルケの言葉を聞いて笑いながら頷いた。
「ああ、分かったキュルケ。これからよろしく頼む」
そんな一連の出来事を見たルイズは、互いに笑顔で握手を交わす二人を見て、凄い勢いで二人に近づくと、士郎の外套を引っ張って二人を引き離そうとした。
「何握手をしてるのよっ! さっさと食堂に行くわよっ!」
キュルケに向かって無言で頭を下げて謝る士郎は、ルイズに外套を引かれ、ずるずると引きずられながら廊下の向こうへと消えていく。
ルイズと士郎の姿が見えなくなると、キュルケは艶かしく微笑み、先程士郎と握手をした手を掲げて細めた目で見上げ。
「エミヤシロウ……ねぇ……」
士郎の名前を味わうように呟いた。
食堂に着いた士郎は、ルイズのために椅子を引いてやった後、食堂にいる人達と一緒に祈りの声を唱和して、一人黙って食事を始めたルイズを見て質問をした。
「それでルイズ―――俺の朝食はどこだ?」
「ないわよ」
ルイズは、背後に執事の如く控える士郎を振り返ることなく、黙々と朝食を取りながら答えた。
士郎は、頭を掻きながらルイズに問いかけた。
「俺、何かしたか?」
士郎のそんな惚けた答えに、ルイズはテーブルを叩きながら立ち上がり、持っていたナイフを士郎に突きつけた。
「あんたがキュルケにデレデレしていたからでしょっ! だ・か・らっ、朝食は抜きっ!」
そう言ってルイズは音を立てながら椅子に座った。
士郎が周囲の生徒たちを見ると、生徒たちは巻き込まれるのを恐るように、そっぽを向いて食事をしていた。
士郎は豪奢なシャンデリアが吊るされている天井を仰ぎ呟いた。
「なんでさ」
士郎の言葉に同意するように、お腹
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