第一章 土くれのフーケ
第三話 異世界から来た男
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ズに、士郎は苦笑しながら答えた。
「じゃあ、アンタって貴族?」
「はぁ、ルイズさっきも言ったが、俺のいた世界では魔術は秘匿されるものだったんだ。だから、この世界にいるような貴族は居ないんだ」
士郎のそんな答えに、ルイズは微妙な顔をした。ルイズの常識では魔法使いは貴族であるからだ、それでも何とか士郎の言葉を納得しようとしたため微妙な顔をしてしまった。
「む〜ん、分かったわよ。いろいろ納得がいかないことがあるけど、アンタが異世界から来たっていうことを信じてあげてもいいわ」
ルイズのその言葉を聞いて士郎は、フッと笑い、ルイズに何か言おうとしたが、その前に続いたルイズの言葉で遮られた。
「でも、その前に何か証拠を見せて」
「証拠か……」
士郎はルイズのその言葉に困ってしまった、証拠といっても異世界を証明できるような都合のいいものなど無かったからだ。
しかし、士郎は、腕を組んでうんうん唸っているうちに、ふと思い出したことがあり、おもむろに胸の甲冑の裏から一枚の写真を取り出した。
「これが証拠になるか分からないが、この写真はどうだ」
「シャシン?」
ルイズは士郎が差し出してきた写真を手に取り、それを見て驚いた。
「なにこれっ!すっごい細かい絵ねえ」
「正確には絵じゃないがな」
ルイズの驚いた言葉を否定して、士郎は答えた。
「絵じゃないって、それじゃあ、これは何なのよ?」
「これは写真といってな。まあ、ルイズに分かるように言うならば、カメラというものを使って作られた絵だ」
士郎の説明は分からなかったが頷いたルイズは、目を閉じて顔を上げると、何か考えるようにした後、士郎を見た。
「まあ、いいわ。こんなの見たことも聞いたこともないし……認めてあげるわあなたが別の世界から来たって言うことを」
そう言ってルイズは士郎に写真を返した。
「ああ、ありがとうルイズ」
写真を返してもらった士郎は、写真を手に取ってルイズに礼を言った。
それを見ながらルイズは、先ほどの写真に写っていた人たちについて問いただした。
「でも、そのシャシン? て言うやつに描かれている女達は誰なのよ」
ルイズは、まるで浮気した男の現場写真に写っていた、女の名前を問いただすような顔をして士郎に質問した。
「ッ!! そ、それはだな……」
士郎はドット吹き出した汗を流しながら唸ると、何か悪戯を思いついた顔をしてルイズを顔を向けた。
「なっ、なによ」
ルイズはそんな士郎の反応に驚き警戒して、身構えた。
「まぁ、大人の関係ってとこかな」
士郎のそんな言葉を聞いて、ルイズは何を想像したのか顔を『ポッン』となるぐらいの勢いで赤くして士郎に喰ってか
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