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ONE PIECE NOVEL -SHISHI BREAK STORY-
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「すまん…もう一回言ってくれないか?」
「だからダーツですよダーツ!」
すると、どこからともなく某番組でよく使われている円形の板が現れた。その表面の一カ所に『仁道獅子』と書かれており、その部分に穴が開いていた。
「これにダーツの矢を投げて決めたんですよ。」
「………」
余りの事にポカンとする獅子。まさか選ばれた理由がダーツで決められたなんて誰も予想できないだろう。しかも……
「何でパジェ○が入ってんだよ!!!」
よく見ると自分の名前の少し横に一番の高額商品である名前があった。
「ああ、それは気にしないでください。別に神様がその番組が好きで作って、ついでだからここに名前書いちゃえっていうのが真実じゃないですから。」
「今の世代絶対その番組知らないだろ!?そんなおまけ的な理由で選ばれたの!?」
思わず膝をつきがっくりうなだれる獅子。
「まあ、そう気を落とさないで。ある意味○ジェロより当たるの難しいですし。」
「フォローになってねえよ!!!」
少し涙目になる俺……さすがにぶっちゃけ過ぎたのを悪いと思ったのか少女は少し焦りながら話を進めた。
「ほらっ、他に質問はありませんか?」
「ぐっ……じゃあ、これに書かれている特典についてなんだが。」
気を取り直して、紙に書かれていた特典についてのことを聞いた。
「それについては言葉通りであなたの望んだことが全て反映されます。但し、移動した後での要望は叶えられません。あくまでこの空間で望んだ事のみですので、そこの点については気をつけてください。」
「つまり移動後の強化は不可能ってことか。」
「はい。ですが、ここではどんな事でも叶えられますので、そんなに問題はないかと思います。」
「分かった。それじゃあ、最後の質問だ。」
まだまだ聞きたいことがあるが、自分の中で一番気になっていることを口にする。
「移動した後は俺の記憶等が抹消されるってあるんだが……」
それに関しては不真面目に答えることができないのか、焦った表情から真剣な表情に変わる。
「あちらでの混乱を避けるために『あなたが存在したという事実』自体を抹消しますので、最初から存在していなかった事になります。」
「!!」
「干渉制限と同時にこの空間は最終確認の場でもあるんです。何しろ人一人の存在が消えてしまうんですから……」
「………」
「ですが、もし移動しないを選択した場合は今までの生活に戻ることが出来ます。その際、これまでのやりとりの記憶は消去させていただきます。」
そう言って少女は頭を軽く下げた。
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