第八話 帰還そして惨劇
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1994年 帝都 日本帝国軍 帝国技術廠第壱開発局
神野師匠との1ヶ月に及ぶ厳しい修行を終え、俺は帝都に帰ってきた。 長かったような短かったような、なんともいえない気分だが充実した1ヶ月であった。 この経験は自分にとって良い経験になったと思う。
俺は基地に着くと、帰隊手続きを終わらせ、修行が終わった事を報告をするため、巌谷少佐がいる執務室へと足を運ばせた。
向かう途中、行き会う人たちから妙な視線を感じた。 以前は好奇と疑惑の感情が篭った視線だったが、今はまるで俺を避けるように顔をそらし、畏怖するかのような感じだった。 多少気になったが俺は先を急ぎ目的地へと向かった。
以前訪れたように巌谷少佐の執務室に辿り着くとドアを二回ノックした。 部屋の中から「入れ」の声を聞き、俺はドアを開け部屋に入った。
部屋に入り、巌谷少佐の前に立ち敬礼をした後、報告をした。
「篠崎竜也少尉、1ヶ月の修行を終え、只今帰隊致しました。」
「ご苦労だったな少尉。 楽にしたまえ」
その言葉を聞き、敬礼を解き休めの姿勢を取った。
それから俺は巌谷少佐に修行の一部始終を話すことになった。 最初は頷くばかりだったが、師匠のことを話すとやや苦笑いで相槌を打った。
「ふむ、確かに以前より逞しくなったな。 今の気持ちを忘れず今後も精進したまえ」
「了解しました少佐。 それと、一つお聞きしたいのですが?」
「ん?なにかね?」
「此処に来る途中、行きかう人からまるで自分を畏怖するかのような視線を感じたのですが心当たりはありませんか?」
俺は思い切って聞いてみることにした。 どうしてもあの視線が気になるからだ。
巌谷少佐は少しの間黙り込むと真剣な表情をしこう言った。
「実は二週間前の話だ・・・・」
俺はこの話を聞き驚きを隠せなかった。
二週間前 帝国技術廠第壱開発局 第13格納庫 1600時
この格納庫には今ガンダムエピオンだけしかいない。 戦術機と別にする理由は機密保持のためであり外部に漏洩しないための処置である。
エピオンの支援AIである『イクス』は定期的に外部カメラを起動させ、偶に整備兵が来て点検に来る事以外自分以外誰もいない格納庫内を見渡していた。
『(マスターが[修行]というのに行ってから三週間経ちますが、話し相手がいないと暇ですね)』
そんな時だった。 格納庫内に整備兵とは違う見慣れぬ二人組の男がやってきた。 衛士強化装備を装着しているところどうやら二人は衛士のようだ。 その男達はエピオンを見上げると顔を見合わせニヤリと笑った。
『(なんでしょうかあの二人組は・・・念のため周音マイクはONにしときましょう)』
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