第8話 魔法少女でも恋がしたい!
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んだ。
そんななのはを先程からずっと見つめていたリクは思う。
(さっきから凄い速度で表情が変わっていくな)
ひどくどうでもいい事である。
まあ、リク自身自分の感情に対する戸惑いはあった。
今まで沢山の女性と付き合ってきたが、ここまで自分の感情が揺さぶられた事はなかった。しかも出会ってから1日しか経っていないにもかかわらず。
(これはフェイトの事をとやかく言う資格はないな…)
そう自嘲しても、抱いた気持ちが消える事はない。
そしてリクが抱くもう一つの戸惑い。
それはユーノの事だった。
今までのリクならば、相手に彼氏、もしくはそれに近い存在がいた場合、身を引く事を常としてきた。それは単に面倒事が嫌いであり、関係をこじらせ誰かを不幸にするなら素直に身を引こうというある種の自己満足や、自己陶酔だ。
けれど、今回は違う。
―――譲りたくない。
―――譲れない。
―――譲らない。
なのはに対する独占欲がリクの心を埋め尽くす。
理由は分かっている。最初から分かっていた。
リクは、先程から黙り込んでいるなのはを見て、向こうが何かを言うのを待とうとしたが、止める。
今のリクに、ユーノとなのはの思いでに勝てるものは何一つない。ならばどうするか。言葉を紡ぐ他ないではないか。
「なのは」
その呼びかけに、なのははリクの方を向く。
そして目が合うと同時に、なのははカアアァと顔を真っ赤に染める。
それに対して一瞬「何でだ?」と思わなくもないが、今はそんな事を考えている暇はない。
だから言う。
自分の想いを。
「……座って話さないか?」
その瞬間、リクは自分を殴りたくなった。
◆
訓練場の近くにあるベンチ。
二人はそこに座っていた。
「―――ってことで、あいつら、明日の訓練から外してやってくれ」
現在リクは、当初の目的であるレイとアキの訓練不参加の事を伝えていた。
今、この状況で伝える必要は一切ないのだが、今伝えなければ恐らく余計伝えにくくなると思い、結果、言う事にしたのだ。
「…うん。わかった」
当然なのはは目に見えて落ち込む。
今まで教導官として沢山の生徒を持ってきたなのは。当然不真面目な生徒、出来の悪い生徒もいた。
けれどレイやアキのような生徒は初めてだった。
そもそも一対一の戦闘において、なのはがあの二人に勝つ事は難しい。もちろんなのはの全てが劣っている訳では無い。遠距離戦闘ならなのはの方が圧倒的に上だし、攻撃の威力だけを見てもなのはの方がずっと上だ。
が、総合的な戦闘力では結局劣ってしまう。
その事を悔しく思う。そして、教導官として、二人の
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