第8話 魔法少女でも恋がしたい!
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の瞳に、最初出会った時に浮かべていた表情とはかけ離れた真剣な表情に、感情を叩きつけた言葉に、なのはの心臓はとんでもない速度で鼓動する。
(な、なんなこんな…わたし、…心臓っ、止まらない―――)
そしてなのはは気付く。
先程までなのははユーノに対する申し訳なさと、フェイト喧嘩した事をずっと考えていた。
けれど、今の自分はもうそれらを考えてなどいない。
ただ、無剣リクが与えてくれたドキドキに身を浸しているだけだ。
(わたし…なんで…)
なのははユーノと沢山の時間を過ごしていた。お互い時間は限られていたが、沢山の場所に遊びに行った。交わした言葉は数えきれない。
積み重ねた思い出はなのはにとって、かけがいのない宝物だ。
(なのに…なんで…?)
なのに。
ユーノとの思いでよりも、ユーノの言葉よりも、ユーノの告白よりも、無剣リクの30秒にも満たない言葉の方が、なのはの心を揺さぶる。
その事を自覚し、なのはは戸惑う。
―――違う。
―――違う。
―――私は彼の事を何も知らないではないか。
―――そうだ違う。
―――これは勘違いだ。
そう必死に自分の心に言い聞かせても、彼…リクの顔を見ると心臓は感情とは裏腹に心地よい鼓動を奏でる。
なのは自信、ユーノに告白された時、その時点ではユーノの告白を受け入れるつもりだった。
時間をくれと言ったのは単に自分の覚悟を固める為のもので、告白を受け入れるか、受け入れないかで悩むつもりはなかったのである。
ユーノはなのはにとって恩人であり、魔法の師でもある。そんな人からの勇気を振り絞った告白。断る理由などなかった。
例え自分が彼に恋愛感情を抱いていなくても。
燃え上がる恋もあれば、静かに流れる川のような恋もある。中学の頃になのはが読んだ少女マンガに書かれていた言葉だ。
―――そう、自分の恋愛は後者なのだ。
―――自分にはそれが合っているのだ。
だから受け入れる。
ただやはり覚悟はいる。
恋人同士になるという事は、いずれ深く繋がる時がくる。そうなった時、自分は彼を受け入れられるのか。
なのはその為の覚悟をする時間をユーノに要求した。
―――けれど、それは一人の少年によって狂わされる。
今まで出会ったどの男性も与えてくれなかったこの感情、このドキドキ。
(ああ、そうなんだ…)
なのはは諦める。
もう既に、自分ではこの感情を抑える事も、コントロールする事も出来そうにない。彼の顔を見るだけで心臓が信じられないレベルで高鳴るのだ。こんなの、どうする事も出来ない。
だから諦める。そして認めざるを得ない。
(わたし…)
―――リッくんに…恋してる
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