第1話 レンスプルト星域会戦
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らロアキア軍右翼の側面へと奇襲を仕掛けたのである。
これによりロアキア軍右翼の戦線は崩壊し、火達磨になってのた打ち回った。
あるいは、この時こそ(右翼を見捨てることが前提だが)ロアキア軍が最小の被害で撤退する好機であったかもしれない。
しかし、バートウッド中将は味方を見捨てることができず、されとて有効な手を打つこともできず悪戯に損害を増やしていった。
「脆いな。一度崩れるとこうまで脆いとは……まるで自分達より圧倒的に劣ったものとしか戦ったことの無いような……そう感じる」
このロイエンタールの推測は的を得ていた。
ロアキア統星帝国は長きに渡り宿敵ルフェール共和国と争っているものの、直接矛を交えることは無く、ルフェールとの緩衝地帯でもある辺境星域の小国同士の小競り合いに偶に顔を出すのが精々であった。
結果、ロアキアの将兵たちは自分たちと同等以上の敵と戦った経験が皆無だったのである。
オリアス皇子以下数人の提督が一度ルフェールと大規模な艦隊戦を行ったことがあるものの、バートウッドはそれには参加していなかった。
「ワルキューレを出しますか?」
「うむ、今が好機だ、敵を殲滅せよ!」
1時間後、戦場に残っているのはロイエンタール艦隊と、残骸となったバートウッド艦隊の成れの果てだけであった。
バートウッド中将は戦死し、艦艇3000隻が降伏、1000隻程が逃亡。
その他のロアキア軍は残らず撃沈されていた。
期せずして始まったこの戦闘であったが、結果は銀河帝国の勝利に終わった。
だが、これは長きに渡る新たな戦いの始まりに過ぎないのであった。
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