第1話 レンスプルト星域会戦
[3/4]
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、ロアキア統星帝国との国交樹立のためドーバー回廊を通過し、ロアキア領レンスプルト星系へと侵入した。
驚いたレンスプルト星系の領主であるガウト男爵は、国交を樹立することになる銀河帝国への示威行為のため近づいていた統星艦隊の一つであるバートウッド艦隊に慌てて『早く来い』との連絡を入れた。
ロアキアは銀河帝国を(自分たちが存在すら知らないほどの)辺境の小国家と認識しており、まさか10000隻を超える大艦隊を有しているとは夢にも思っていなかったのである。
ガウト伯爵の連絡から銀河帝国が(伯爵領に)攻撃を加えてきたと勘違いしたバートウッド中将は、現地へ急行し遊弋するロイエンタール艦隊に問答無用で攻撃を仕掛けてしまう。
いきなりの攻撃にロイエンタール艦隊は混乱したものの、すぐに混乱を鎮め艦隊の秩序を取り戻した手腕はロイエンタールならではのものであった。
ロイエンタール艦隊15000。
バートウッド艦隊14000。
数は互角である。
だが、指揮官の力量には大きな差が有った。
「敵の攻撃には粗さが目立つ。その隙を突いて切り崩せ!」
いきなり陣形も整えずに攻撃を仕掛けた影響かバートウッド艦隊の陣形は縦に伸びきっている。
そして、そこを見逃すロイエンタールではなかった。
一部の部隊を長い縦列となったバートウッド艦隊の側面に展開させ、攻撃を仕掛けたのである。
「……くっ、いったん後退せよ」
バートウッド中将は堪らず艦隊を後退させ、艦隊の再編を図る。
「深追いは無用。こちらも艦隊を再編せよ」
一方のロイエンタール艦隊も一連の戦いで陣形が乱れており、無理な深追いをせず艦隊の再編にかかった。
・・・・・
両軍の再編が完了し、戦闘が再開されたのは八時間後のことであった。
しかしバートウッド艦隊の攻撃は先程とは違い、やや積極性に欠けていた。
「ほお、様子見か」
「最初とは打って変わって大人しくなりましたな」
「敵には我が軍の情報が無い。まあ、それは此方も同じだが……しかし、慎重になった敵を正攻法で切り崩すのは少々骨が折れる。ならば……左翼部隊に命令、敵右翼に攻撃を集中せよ!」
ロイエンタール艦隊の左翼はバートウッド艦隊の右翼に攻勢を仕掛ける。
気を抜けば一気に突き崩されそうな猛攻に、バートウッドはただ必死に堪えるしかなかった。
「ええい、ここは堪えるのだ! 敵の攻勢が限界に達したところで逆攻勢を掛ける!」
だが、それこそがロイエンタールの狙いでもあった。
「さ、更に右から敵が来ます!」
「何ィ!?」
ロイエンタールは左翼部隊に攻勢を掛けさせることで敵の目を引き、その間に自軍の中央と右翼より徐々に戦力を引き抜いて、攻勢を掛ける左翼の更に左か
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ