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我が剣は愛する者の為に
賭けの結果
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後方から追撃を掛ける手はずになっている。」

「そんなの関係ないよ!
 もっと滾り、熱く燃え上がりたいんだ!!」

完全にスイッチが入っているな。
一刀の事もある、ここは荒療治だが。

「まぁ待て。」

と、足を氣で強化して胡蝶の後ろに回る。
そのまま肩に手を置いて、胡蝶の氣の波長を合わせ合氣道を繰り出す。
カクン、と胡蝶の右膝が折れ、俺は背中で背負い地面に軽く叩きつける。

「ぐぅ!」

まさか、強引に止めてくるとは予想もしていなかったのだろう。
しかし、体勢を整えて鉄扇を構える。

「ふぅ〜ん、縁が私を鎮めてくれるの?」

「時間がない。
 さっさとするぞ。」

冷たい殺気を放ち、熱くなっている胡蝶の殺気にぶつける。
既に賊は逃げ、兵士達も俺達の殺気を感じ、距離を開けている。
時間があれば付き合ってやるのだが、一刀の事もある。
胡蝶は舌で鉄扇を舐め、こちらに接近してくる。
俺は全身に氣を送り、限界の一歩手前まで強化する。
おそらく、胡蝶は最速でこちらに向かっているのだろうが、俺にはとても遅く見える。
納刀状態から一気に抜刀。
最速の剣速で二撃で両手の鉄扇を頭上に打ち上げ、胡蝶の首筋に刃を当てる。
この間、わずか三秒。
首筋に刃を当てられても、胡蝶は一瞬も怯むことなく妖艶な笑みを浮かべている。
対する俺は無表情。
見つめ合うこと、十秒くらいして胡蝶が下がって地面に落ちている鉄扇を拾う。

「やっぱり縁は楽しいよ。
 薄々分かっていたけど、あの時は手を抜いていたね?」

「お前の戦法は初見だったら誰だって、波に乗れない。
 さっきも言ったが時間がないからな。」

「いいよ、縁との一瞬の試合で満たされたし。
 首筋に刃を当てられるまでの瞬間、殺されるという恐怖を本能が感じ取って、少し身震いしたよ。
 危うくイっちゃいそうだったね。」

刀を収めながら。

「なら、部隊を纏めてくれ。
 今頃、豪鬼がやってくれていると思うが。」

「はいよ。」

満足げな笑みを浮かべ、胡蝶は兵士を纏めていく。
少し不安が残るが、俺は彼女に任せて一刀のもとへ向かう。
一刀は部隊から結構離れた位置で、賊と打ち合っていた。
どうやら、賊が隙を見て逃げようとして、それをしつこく一刀が追いかけた結果、かなり離れた場所に移動することになったのだ。
一刀も賊も肩で息をしている。
賊は疲労的なのが主だが、一刀は精神的なもので息を切らしているのが分かる。
俺が近くに行くと、賊が顔を青ざめる。

「くそ!
 援軍か!?」

「安心しろ、俺は手を出さない。
 そいつを殺しても俺は何もしない。」

「へっ、信用できるか!」

賊からすれば当然の反応だ。
だから、俺
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