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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第二章
十話 消えがたき心
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上否定する暇も、反論する暇も与えてはもらえなかった。
『じゃあ何ですか!?彼奴等の話を聞いたら俺に何か得が有りますか!!?彼奴等の言葉を聞いたら過去が変わりますか!!!?彼奴等の言い訳を聞いたら、何もかもが無かった事になりますか!!!!?彼奴等の……!』
そこで耐えかねたように一度俯くと、見えなくなったクラナの顔から何かが零れ落ち、床に丸い染みを作った
『……彼奴等の謝罪を聞けば……母さんは戻って来るんですか……!?』
その涙声を聞いた瞬間、なのはには、もうそれ以上何も言う事が出来なくなった。
────
「(……アルテアさん……)」
こういう時、ときどき今はもういない彼女を頼りたくなってしまうのは、自分の悪い癖なのだろうとなのはは自分でも分かっていた。と、不意に、彼女に正面から声がかかる。
同じくアップをしていた、フェイトだった。
「……なのは」
「え?あ、何?フェイトちゃん」
「考え事してた?」
「う、うん……ちょっと……」
にゃはは、と苦笑しながら言ったなのはにフェイトは悪戯っぽく微笑んで言う。
「クラナの事?それとも、アルテアさんの事?」
「え、えぇ……?フェイトちゃん、なんで分かったの?」
戸惑ったように返したなのはを相手に、フェイトは楽しそうだ。
「分かるよ。こういう時になのはが考えそうな事……」
「うぅ……私って分かりやすいのかな……」
なのは自身に自覚は無いが、彼女は案外感情が表情に出やすい達の人間だった。まぁとはいっても、長い間なのはと付き合いのある人間でなければ何を考えているかまでは分からないだろうが。
「ふふ……やっぱり、アルテアさんの事考えてたんだね」
「うん……駄目だね、こういう時、あの人なら!って、どうしても考えちゃう……こんなんじゃ叱られちゃうのにね」
少し俯いたような様子で言うなのはに、フェイトはコクリと頷く。
「そうだね……でも……私も、やっぱりときどきそう思う事、あるかな」
「フェイトちゃんも?」
「うん……特に、クラナとの事は、ゆっくり距離を縮めて行きたい。っては思ってても、やっぱり、アルテアさんが居たら。って思う事あるんだ」
「そっか……」
座り込んで、二人は揃って思いだす。
かつて自らを導いてくれていた、一人の女性の事を。
「クラナ……やっぱり、まだ怒ってたね」
「うん……止められなかった……お母さんなのに……」
「なのはだけのせいじゃないよ。私も、ちゃんとクラナの事見てなきゃいけなかったんだ……」
互いに俯きながら、先程の事を反省する。と……
「あの……なのはさん?」
「フェイトさん、大丈夫ですか?」
「え!?あ、スバル……」
「キャロ……ううん、ごめん。少しボーっとしてた」
いつの間にか、目の前にア
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