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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第二章
十話 消えがたき心
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はやてに関しては、これは本人から聞いた話だが、上層部の渡り方や取引の仕方、交渉の術等をはやてに教え込んだのはアルテアなのだそうだ。おかげで随分やりやすい事も多かったとはやてと共ににゃっ、と笑っていたのが印象的だった。

そんな彼女は……四年前、JS事件の際の時空管理局本局公開意見陳述会の際に起きた本局、そして起動六課隊舎襲撃事件の際に、死亡した。

後の事情聴取から、この日ヴィヴィオと共に遊んでいた彼女は、襲撃時にヴィヴィオ奪取の為内部に隊舎内部に突入してきたルーテシアと、その召喚獣であるガリューと交戦。全力の戦闘中に、ルーテシア自身は殺害するつもりは無かったにもかかわらず謝ってガリューの爪がアルテアの胸部を貫き、慌ててルーテシアが確認した際には既に呼吸、心肺機能共に停止。恐らくは即死だったのだろうと言う事だった。

彼女を失った際には、一度心が折れ掛けてしまったが、それでも互いに支え合う事で全員がなんとか持ち直していた。
同時にルーテシアの事もまた、スカリエッティを倒し、ヴィヴィオを助け出すことで、被害者の一人として見ることで、ある程度には許す事が出来た。

唯一人、母親を殺された、クラナを除いては。

────

事件が終結して、一月程が経った頃、ルーテシアや他のナンバーズ達の居る更生所にクラナを連れて言った事が有った。
理由は其処まで複雑では無い。被害者であるクラナに、ルーテシア達が謝罪をしたいと言った為だった。そうして連れて言ったクラナは……ルーテシアが口を開くよりも前に、彼女に向かって殴りかかった。

咄嗟に間に割って入ったオットーがギリギリでそれを受けて吹っ飛ばされ、しかそれでもなおルーテシアを殴ろうとするクラナを、スバルとエリオが二人がかりで抑えたのだ。

『クラナ君!だめだよ!駄目だってば!!』
『離せ!離せよスバルさん!此奴は……此奴ら三人は、殺してやる!!』
『クラナ!落ち着いて!』
『うるせぇ!!良いから離せエリオォ!!』
凄まじい力で暴れるクラナを、やむなくなのはがバインドで拘束しとりあえずルーテシア達が居た部屋から引きはがし、少し説得を試みた。
その時の会話は……今でも、なのはの頭に焼きついたままだった。

『お願いクラナ君、怒るのも、憎むのも当たり前だと思う。でもせめて、少しで良いの、あの子達の話を聞いてあげてくれないかな?』
『……は?』
一瞬きょとん、とした顔でなのはの顔を見たクラナは、少し俯いて歯を食いしばりながらこう返してきた。

『……聞いてあげて……?聞くって何をですか?彼奴等が自己満足の為に謝るのと、言い訳を、彼奴等の自己満足の為に聞いて、彼奴等の罪悪感を俺は少しでも緩めてやれば良いんですか?』
『そ、それは……そう言う事じゃないよ……!』
それ以
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