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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第二章
十話 消えがたき心
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印象が変わってしまう可能性を考慮する意味もある。
何より、まだ十歳其処らの子供に少々黒々しい内容のこの話をして良い物かと言う点でも、ノーヴェは悩んだ。一人で結論を出すことにも少々躊躇いを感じ始め、やがて、二人に少し待つように言うと、水着の上に羽織っていた上着のポケットから、クリスタル型の自らのデバイス、ジェットエッジを取り出し、通信回線で各メンバーに向けて念話を使う
会話に関する詳しい内容は省くが結果的には、クラナを除く各メンバーそれぞれからOKの返事をもらった。理由は単純。彼女達もまた、これからクラナやヴィヴィオと友人、あるいは見知った仲で居る以上は、いずれ知っておいてもらわねばならない事だからだそしてその当のクラナからは……
『……クラナ』
『あ、ノーヴェさんですか?』
『?アルか?』
『あ、はい。あの、すみません、相棒今私と離れてるので……少し待って下さいね、今私を媒体にして通信をつなぎます』
そのまま数秒待つと、今ではすっかりと聞きなれた声がノーヴェの頭に響いた。
『……ノーヴェさん……』
『クラナ、まぁ、なんだ。さっきの事は、またその内、な。で、それとは少し違うんだけどよ、その……リオと、コロナが──』
話を終えると、クラナは数秒黙っていたもののすぐに返してきた。
『……分かりました。俺は、構いません。ただその……』
『ん?どうした?』
沈むような声にノーヴェが尋ねる。
『いえ。俺がこんな事言うのもなんだかおかしいかなっては思うんですけど……なるべくなら、その子たちが極度にショック受けないように、フォローしてあげて下さい』
『……おかしくねーよ』
『……え?』
『おかしくねぇ。お前がチビ達の心配してやる事に、何にもおかしい事なんかねぇだろ……分かった。あたしなりに気を付けてはみる』
『……はい』
そうして通信を切る。目の前には、既にヴィヴィオやルーテシア、アインハルトも、水着の上に上着を着た状態で立っていた。今の状況は、ヴィヴィオとルーテシアには説明してある。アインハルトにはこれから説明すればいいだろう。少し息を吐くと、ノーヴェは言った。
「……とりあえず、歩きながら話すか」
────
「…………」
ノーヴェから通信念話を受け取って数分後、なのはは他のメンバーと準備運動をしながら、ある女性の事を思い出していた。
アルテア・ディリフス
そう。
クラナとなのはを含む、何人もの運命が変わったあの日、起動六課の中で唯一死亡した女性、クラナの、母親の事である。
彼女はなのはにとって、いや、なのはの周囲に居る何人もの人物にとって、言わば“恩人”とも言うべき人物だった。
初めて出会ったのは、まだなのはが魔法と言う物と出会ったばかりだった頃。13年前の海鳴市。当時、
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