第3話
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ていた人物を見て、言葉を失っている。僕もその写真を覗き見ると、彼女についての記憶が蘇った。
「ああ、思い出した。確かに、兄さんに彼女の写真として見せられた子だ」
「そう、渚くんは思い出せたのね。イッセー、この子よね?」
兄さんは黙ってうなずいている。
「この子は、いえ、これは堕天使。昨夜、あなたを襲った存在と同質の者よ」
グレモリー先輩は足を組み替えて、話を続ける。
「この堕天使たちはある目的があって、イッセーに接触した。そして、目的を果たしたから、自分についての記憶と記録を消したの」
「目的?」
「そう、イッセー、あなたを殺すため」
兄さんは隣で息を飲んでいる。
「なんで、兄さんが?」
「それは、今から説明するわ。イッセーは運がなかったのでしょうね。殺されない所持者もいるわけだし・・・・・・」
「運がなかったって!」
兄さんが叫ぶ。しかし、殺されたと言われたが自分が生きていることに不思議なようだ。
「さっき、所持者って言っていましたよね? 兄さんは何を所持していたんですか?」
「神器よ」
「なんですか? それは?」
僕の質問に、グレモリー先輩が答え、その答えに兄さんがさらに質問した。
「神器とは特定の人に宿る、規格外の力。歴史に名を遺した人たちはこれの所持者だと言われているんだ」
今まで口を開かなかった木場が説明する。
「現在でも体に神器を宿す人々はいるのよ。世界的に活躍している方々がいらっしゃるでしょう? あの方々の多くも体に神器を有しているのです」
木場の説明に、朱乃先輩が繋ぐ。さらにグレモリー先輩も続いた。
「大半は人間社会規模でしか機能しない弱いものばかり。ところが、中には私たち悪魔や堕天使の存在を脅かすほどの力を持った神器があるの。イッセー・・・・・そうね、試しに渚くんも、手を上にかざしてみて」
僕は右腕を、兄さんは左腕を上にあげる。
「じゃあ、まずはイッセーから、目を閉じてあなたの中で一番強いと感じる何かを心の中で想像してみてちょうだい」
「一番強い存在・・・・・・・。ド、ドラグ・ソボールの空孫悟かな・・・・・・」
漫画のキャラかよ。まあ、確かに空孫悟は強かったけどさ、なんか怪しくなってきたぞ。
「それじゃあ、それを想像して、その人物が一番強く見える姿を思い浮かべるのよ」
グレモリー先輩はどうやら、あれをやらせるつもりらしい。空孫悟で思いつくのはあの技しかないからな。
「ゆっくりと腕を下げて、その場で立ち上がってちょうだい」
兄さん
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