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ソードアート・オンライン ―亜流の剣士―
Episode2 新たな出会い
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、売値が跳ね上がって助かったよ」
「そっか、そりゃ良かった。じゃあな」

それだけ言って立ち去ろうとするそのプレイヤーの肩を反射的に掴んでいた。さすがにこの無礼な行動に、黒い剣士は顔を歪めた。

「悪い。けどちょっと待ってくれ……そうだ、キリト!それがあんたの名前だったよな!?」

ようやく思い出した名前を叫びながら、俺の中には名前に付随した他の情報も蘇っていた。
メチャ強な片手剣士…俺と同じくソロプレイヤー…攻略組を支える強者たちのうちの一人……ビーター…。

「…ん?《ビーター》ってなんだっけ?」

聞いたことはありこそすれ、意味の分からないそのワードが思わず口をついて出た。その途端、肩を掴んでいた手が乱暴に払われた。

「俺はあんたのことなんて知らない。…それに、迷宮区に行くならもっと装備に気を使った方がいいぞ」

不機嫌そうにそう呟いたキリトは、今度こそ立ち去ってしまった。
一人ポツンと残ってしまった俺は、呆然としたまま立ち尽くしていた。

そんな俺の背後からまた聞き覚えのない声が聞こえた。


「ホンマ、彼の言う通りやなぁ。あんたの装備ダメダメやで」

見知らぬ人からのダメ出しに多少ムッとしつつ振り返ると、そこには今度は惑う事なき一人の女性プレイヤーが腕組みをして立っていた。

…何故女性と断言できるのかと問われれば、そりゃ体型が実に女性的だから…と言わざるを得ないのだが、今は誰にも聞かれないから問題なしだ。

アイスブルーの綺麗な髪。全体にお姉さんチックな雰囲気を漂わせる顔立ち。かけられた銀縁のスッキリしたホルムの眼鏡がさらにその印象を強くさせる。
ただ、全身に武器らしい装備品はなく、生産系のプレイヤーなのかと俺に仮定させる。いや、この印象は物書きなんかの方が似合っているかもしれない。完全に俺の主観であるが――。

なんて俺の思考を読み取っていたかのように、思考が終了した途端眼鏡をグイッと押し上げながらそのプレイヤーは空中に指を走らせた。パッとフレンド申請の表示が現れたそこには《シスイ》と言う名が記されていた。

「カイトくん言うんやね。うちはシスイや。よろしゅう」
「お、おぅ。よろしく…」

視線でシスイが申請の許諾を促して来る。なんだかよく分からないが、こんな状況で拒否を選べるような俺ではない。促されるままに許可を押した俺にシスイが満足そうに頷く。

「これでうちら知り合いやね!ところで、さっきの彼が言ってたみたいにその装備で迷宮区に送り出すのは心配やわ。てことで、うちが今からコーディネートしたげるから来て!」
「えっ?…ちょっと引っ張るなよ!?」
「心配せんでいいって!うちに任せとき!」

そういって、そのシスイというプレイヤーは俺の手を引きずってショップへ
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