Episode2 新たな出会い
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の視線に俺もそのプレイヤーをよく見た。
線の細い顔だ。一見では男か女か惑うくらいに。少し癖のある黒髪。体の線も華奢、というほどではないが相当に細い。背に携える剣は、オーソドックスな片手剣。
だが、このプレイヤーの一番の特徴は
「黒ずくめの装備…って攻略戦で見たことあったような……」
全身まちまちな俺の装備と違って、統一された黒い装備。全身を黒のロングコートで包むこのプレイヤーを、俺は今までに参加した前回、前々回のフロア攻略戦で見かけたことがあったはずだ。
「確か…えぇと、なんて名前だったっけ?」
「……見せてくれるか」
俺の問いを無視し、しかし躊躇いがちに言う黒ずくめのプレイヤーに、俺は自身のウインドウを可視モードにした。
そのプレイヤーがウインドウを覗き込んでいる間も、俺は記憶のどこかにあるはずの名前を探していた。
「マキト…じゃないし、ケントでもないよな?」
「やっぱり…なぁ、あんた」
またしても俺を無視して、黒い剣士は店主に声をかける。
「このアイテム、あんたが言ってるほど市場に出回ってないよな」
「そうなのか?」
「あぁ、そもそもコイツをドロップするサラマンダー自体がレアモンスターだからな」
ようやく俺の方を向いて黒い剣士は答えた。
「今ならそうだな…装備をきっちり買い揃えても多分お釣りが来るよ」
俺を一瞥して言ったそれに少々気分を害さざるを得なかった。だが、俺より嫌な顔をしながら店主が口を開いた。
「勝手なこと言わないでくれ。こっちはもう交渉がまとまりかけてたんだ。営業妨害だぞ!」
最後はほとんど絶叫に近かった。続けて喚こうとする店主の耳元に黒い剣士が近づいて囁いた。
おそらく、あまり聴いてはいけないことなのだろうが、《聞き耳》を常時発動にしている俺は耳聡くその内容を聴き分けてしまった。
「…あんた、《聖竜連合》のメンバーだろ。噂はいろいろあるぞ。サラマンダーのポップ地点を占有して耐火性アイテムを独占してる、とかな……」
「……ッ!?」
囁かれた店主の顔色が一気に青ざめた。途端にトレードウインドウの金額が何倍にもなり、店主は店舗代わりのカーペットを即座にしまうと立ち上がった。
「それで文句ねぇだろ!…くそっ、儲け損ねたぜ……」
「ちょっ、待てよあんた!」
俺の制止も聞かずにトレードを成立させた店主が立ち去り、後には黒い剣士と俺だけが残った。
俺が目の前の剣士の名を思い出すべきか、それとも先にとりあえず礼を言うべきか、将又謝礼に一割払うべきかまとまらない思考をグルグルさせていると、黒い剣士が先に声を発した。
「悪かったな、口出しして」
「や、別にこっちは困らない…っていうかなんだかよく分かんないけど
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