37*ダメな方の保護者
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落ち着け自分!!
素数だ!いや素数では生温い!!
円周率を数えるのだ!!
「……先生?」
いや、わかるよ君がこう、あれな事は!
いくら自分が昔思い込みからの自爆失恋のトラウマがあるからって、こればっかりは間違いようがもうない。
でもだから……自分も一人の男なんだよ!!
「わ、わかってる!!わかってるからね!?だからおちつ「なら、先生は、ナルミさんはどうなんですか?」……どうって……」
どうって……どうなんだ?
「ナルミさんは私を、どう見て下さってるのですか?私は、あなたと結ばれたい。だけどナルミさんは、私と結婚、してくれますか?」
彼女の眼は真剣で、本気で話してくれていることが読み取れる。
しかし…結婚、ね。
ぶっちゃけ自分は独身貴族になるだろうとか予想していたのだが……いや、確かに今はまだ独身で貴族だけども、まさかこんな早く結婚するかいなかの話が出るとは。
だけど…なんだかんだで自分も……。
「好きなのかなぁ」
「ふぇ!?」
どうなんだろ?
なんか最近、いつの間にか隣にシルバちゃんがいて、なんだかんだ言いながらそれが当たり前になってる自分がいる。
よくわからん。
……でもなんか……な。
「……ん」
「ひゃわっ!?はわわわ!?」
自分は無意識にシルバちゃんを抱きしめていた。
腕の中で、形だけの抵抗をしている小さな少女をはなさないように。
そして、抱きしめてからはっきりとした。
自分の気持ちに整理がついた。
「……なんかもう、君以外が隣にいる自分の姿が想像できない」
「……それは、私を貰ってくれると受け取っていいのでしょうか?」
「……ああ。むしろそれ以外に受け取ってもらったら、泣くぞ」
いつの間にかもがくをやめたシルバちゃんを、抱く腕を緩め、お互いの眼が向かい合う。
そしてどちらともなく、ゆっくりと月に照らされた一つの大きな影が出来上がる。
しばらくしてから、再び少し離れて、自分は確実に聞こえるような声で、彼女の瞳をみながら真っすぐ告げた。
「自分は、なんだかんだで君が好きなんだ。気持ちの整理もついた。学生結婚上等、やってやろうじゃないか。自分と、結婚してくれ」
「……はい」
泣きながら返事をしたシルバちゃんを抱きしめ、自分は今までの人生でもっとも異常な心拍数を記録する心臓の鼓動を聞きながら、ゆっくりと時が流れるのを感じていた。
その後の事は……ご想像にお任せする。
きっと現代日本に今から帰って、親に報告したとしても『若さ故の浅はかな考えだ』とか言われるのはわかっている。
だけど、後悔はしていない。
てゆーかする要因がない。
今の自分には地位がある
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