37*ダメな方の保護者
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けないと言っていたのですが、そこまで奥様に信用されているのだなぁと」
セブルさんがそこまで言うと、シルバちゃんがクイクイと自分の服を引っ張ってきた。
それを見たセブルさんは、話を中断したので自分はシルバちゃんの方を見ると、彼女は
「先生、お母様が私に忘れさせた記憶って、一体なんなのですか?」
くりっとしたつぶらな瞳で問い掛けてきた。
……困る。
非常に困る。
あんな事をやったんだよって言う事は、自分にはできない。
困りに困って自分はセブルさんの方を見ると、彼は
「我も同じ疑問を持っていた。忘却魔法で一度封印した記憶は、どうにかして思い出させなければ垣間見る事ができない。いったいなぜ奥様はお嬢様に魔法をかけたのか……」
うわぁ、きょーみしんしん。
どうしよう……。
「……知らない方がいい事もあるんだよ」
よし、うまい自分!
これでみんなあきらめ……
「でも、私は知りたいです!先生がそこにいたなら、私はそれを知りたい!なんでお母様が私の記憶を消さなければいけなかったのか……知る権利は、あるはずです!!」
うわっ、まっすぐな瞳。
いや知る権利はあるよーな気もするが……うん。
「まだ君には早い。時がきたらいずれ話そう。それまで待ってくれるかい?」
「……本当ですか?いつか教えてくれますか?」
「うん、いつか教えるよ。約束する」
チキンのなにが悪い。
だってこの娘、自殺するかもってリリスさん言ってたんだもん。
おいセブル、なぜに舌打ちするコノヤロー!!
************@☆
しばらくなんだかんだと中身のない話をしながら、使用人の男子勢は自分の屋敷の建設に駆り立てられているとか、セブルさんがランドルフ家に従ういきさつとかをはなししていたら空ももう真っ暗けになってしまった。
ちなみに、ゼノアが中庭に放置プレイだった事を思い出したのもこの時だ。
元芋虫達もそれぞれ思い思いに部屋へと戻り、使用人達も忍者よろしく一瞬で全員掻き消えた。
あいつら一体なにもんだ?
そして現在、この部屋には自分と、自分の膝の上に座っているシルバちゃんのみである。
……なんか、いつもと違う味わった事のない空気ってか雰囲気はなんなんだろうか。
「……先生」
「はいっ!?」
声が裏返った。
へんにでっかい声だし、ハズカシイ。
「今日は、ごめんなさい」
自分が自己嫌悪に陥っていると、シルバちゃんが謝ってきた。
上目使いで。
「言い訳はしません。私は自分勝手に、先生の事を考えずに行動していました。……ですが、この気持ちは嘘じゃありません。それはわかってください」
……
………
…………イイ。
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