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なりたくないけどチートな勇者
37*ダメな方の保護者
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そうな表情をなさった。
ちなみにここで我はナルミ殿を必ず殺すと心に誓った。

「それに先生は私との結婚が嫌みたいなの。さっき言ってた劇の内容も、作った副隊長をものすごく怒ってたし、結婚についてもいつも否定するし……私、魅力ないのかなぁ……」

お嬢様はそう言うと、抱えた枕に顔を埋めて啜り泣いた。

ここまできたらいくら300も生きていない若輩者の我でもわかる。
ナルミ殿は別としても、お嬢様は本気なのだと。

確かにナルミ殿はお嬢様をたぶらかし、我の元から掻っ攫っていった憎い存在ではあるが、お嬢様が本気であるならそれを応援するのが我の勤め。
そして幸い我は昔奥様からも似たような相談をされた事があったので、それと同じような事を教えてさしあげる事にした。

「お嬢様、心配はありません。ナルミ殿はただ、照れているだけです。お嬢様が嫌われる訳がありません。むしろ好かれているのではないでしょうか?」

「……ホント?ホントに先生は私を嫌いになってない?」

「本当です、旦那様をご覧下さい。誰かがいる時は奥様を欝陶しがっているように見えてその実二人きりになると、途端に奥様を優しく包み込む。ナルミ殿も同じで、きっと恥ずかしいだけなのです。だからここで弱気になってはいけません。攻めて攻めて攻めるのです。奥様もそうやって旦那様を捕まえたのですから。自らの愛を、気持ちを全面に押し出しナルミ殿を虜にすればいいのです。何、恥ずかしがる事はありません。お嬢様が言った通りに劇がやっているのならお嬢様とナルミ殿の関係はもはや周知のものです、皆応援してくれてしかるべき。そもそも、妻が旦那に甘える事の何がいけないのですか。見た限りナルミ殿は自ら押していく性格ではありません。なら、お嬢様自身がいかなければならないのです!今こそ戦う時なのです!!」

「今こそ……戦う時……」

「そうです、今戦わずにいつ戦うのか。彼は地位があり財がある、そして何より力がある。この機を逃せばそれらを狙う他の女に取られるやもしれません」

「っ!!いや!そんなの嫌!!」

「そうならないよう、今からナルミ殿をモノにするのです。何、心配はありません。私が甘えるしぐさから化粧の仕方まで、男心を掴むあらゆる方法を伝授致しましょう。なぁに、これでも私も男の端くれ、ナルミ殿の喜ぶ事など、手に取るようにわかります。それに私の言う通りにした結果が今の旦那様と奥様です。きちんと言い付けを守ればお嬢様もあのような、甘い結婚生活を築けるのです」

「うん!うん!!」

「では、まずは男心を捉える甘え方ですが……」


〜ナルミサイド〜


「それから我はお嬢様に日夜ナルミ殿を陥落させる術を……」

「ちょっとまてやゴルァ」

こいつ頭沸いとんと違うか?
それ
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