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なりたくないけどチートな勇者
37*ダメな方の保護者
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なんなんだ」

自分の言ってる意味がわからないようで、彼は正直困惑しているようである。

……いろいろ言いたいが、そろそろ脱線した話をもどさねば。

「ごめん取り乱してた。で、話の続きだが……シルバちゃんになんかした訳じゃないなら想いの枷を外したってどーゆー意味?ぶっちゃけゼノアにやったよーに精神介入したんだと思ったんだが」

自分がそう言うと、セブルさんは納得したような顔をした。

「あぁ、そういう事か。いや、我はそんな事はしていない」

そしてゆっくり語りだす。


〜セブルサイド〜


あれはお嬢様が劇を観に行った日の夜の事だ。
お嬢様は帰ってくるなりすぐ部屋へと引きこもり、食事中も上の空で明らかにいつもと違うご様子だった。

そんなご様子に心配をしていると、旦那様から

「セブル、ちょっとシルバの相談に乗ってあげてくれないか。恋愛沙汰は俺は全く役に立たないし、リリスもリリスであれだからな……。とりあえず頼んだ。あ、それとリリスがシルバの記憶をちょっと弄ったらしいんだが、それはいじらないでくれ。内容は全面的にぶっちゃけシルバの勘違いらしいが」

そう頼まれて、我はお嬢様がお気に入りのお茶とお菓子を用意してお嬢様のお部屋へと向かったのだ。

「失礼しますお嬢様。お茶とお菓子をご用意いたしました」

しかし、我がそう言おうとも全く返事がない。
いつものお嬢様ならまだ寝てる時間でもなかったので、不思議に思いながらも扉を開けると、お嬢様が枕を抱えたまま横になってお休みになられていた。

どうも座っているうちに眠ってしまったようで、寝巻ではなく普段着で眠ってしまっていた。

そしてこのまま布団もかけずにいるのでは風邪をひくと思い、近付き布団を掛けようとした所で、お嬢様が

「……起きてますよ」

そう言いながらゆっくりと起き上がってきた。
目にはうっすらと涙の跡が。

「……なにか、ありましたか?」

内心絶対ナルミ殿が原因だとわかってたので、ナルミ殿に対する怒りでハラワタ煮え繰り返りながらも、それを悟られないようにしながら我はなるべく優しく語りかける。

最初、お嬢様は無言だったがしばらくすると口を開いて、我に聞いてきた。

「……私って、先生に嫌われてるのかな?」

痛々しい声で今にも泣きだしそうなお嬢様だったが、我は酷とは思いつつも質問した。

「……なぜですか?」

一瞬沈黙が訪れたが、お嬢様は我にこう語りかけた。

「……今日私ね、劇を観に行ったの。そしたらその中で、私と先生は愛を誓い、将来を誓う恋人同士だったわ。でも、実際は私と先生はそんな関係ではないの。ただの生徒と先生の関係なの……それに……」

そこまで嬢様は言うと、さらに一段と悲し
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