黄巾の章
第8話 「……ナンデモナイヨー」
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った。わかったから顔くっつけんといて!」
ヘッドロックが苦しいからだろうか?
霞の顔がひどく真っ赤になって、こちらから目を反らしている。
俺は拘束を解いて、顔も朗らかに桃香に向き直った。
「いやなに。ちょっとした意見の食い違いだよ。もう解決したから、全然大丈夫! な、霞」
俺は『否定したら殺す』という目つきで霞を見る。
「へっ!? あ、ああ。そ、そうや! もう解決やで! 仲良しさんやもん、はっはっは!」
「そ、そう? ならいいけど……」
桃香が真っ赤な顔してこちらから目を反らしつつ、頷く。
はて?
「と、とりあえず風邪ひいちゃうから……ご主人様も服を着てね?」
「あ」
そういや上半身裸なの忘れてたわ。
「あーうん。ソーネ。ソーシマス」
「あー……肩も痛いわ、首も痛いわ……いろいろやりすぎやってん……」
「???」
俺と霞の様子に、桃香が首をかしげた時だった。
「「はあわわわわわわわわーーーーーーーーーーっ!」」
俺の天幕の方から、二人の大声が響く。
「え、なに?」
「……ナンデモナイヨー」
「あ、盾二。昨日、放り込み忘れた二人の帽子、ウチが預かっとるから伝えといてぇな」
―― 馬超 side ――
「そういや朝方、すんごい大声だったけどなにかあったのか?」
「はわっ!?」
「あわわ……」
朱里と雛里が、あやうく手にもつ椀を取り落としそうになる。
朝餉を取りつつ、今朝の騒動を聞いてみたが……
あからさまに目の前の二人は慌てている。なにがあったんだろう?
「……ナイヨー、ナンデモナイヨー」
「にゃ? どうしてお兄ちゃんが答えるのだ?」
「きにするな……さてと」
盾二が、パン、と自分の膝を打って立ち上がる。
「霞、義勇軍はこれから貴方の指揮下に入る。一応、こっちは翠の部隊、という形になる、でいいのかな?」
「うん、そうやね。その方が報告にも書きやすいし、翠にも桃香にもええやろ。一応、義勇軍の長は桃香ちゅうことにして、扱いは……翠の副官とでも書いておくわ」
「了解だ……翠、桃香、それでいいかな?」
「ああ、あたしに異存はないよ」
「うん。あ、でも作戦とかはどうするの? ご主人様が考えるの?」
「まあ、俺や朱里、雛里は元々帷幄方……軍師みたいなもんだしな。献策はするが、現状の最終判断は霞にお願いするよ」
朱里や雛里はともかく、盾二が軍師?
……どう考えても武将と言ったほうが似合うと思うんだが。
「そりゃ、一応ウチが総指揮みたいになるんやろうけど……朱里や雛里はともかく、あんさんが軍師って、見えんわぁ」
「そんなことないよ! ご主人
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