#03
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キャスターに案内された部屋は異様な部屋だった。
基本は落ち着いた女性らしい部屋なのだが、壁には顔が切り抜かれたポスターが無数に張られていてそこから怨念めいた迫力が感じられた。
「なんだこの部屋は?」
「呪殺のプロから見てこの部屋から感じられる怨念はかなりのものかと。ちゃんとした呪殺の作法を知っていたら人一人は簡単に殺せそうですね」
キャスターの物騒な独り言を無視して北斗が部屋を見回すと、天井から吊るされたロープとそれに繋がれた輪っか、そして椅子が目についた。
「この椅子とロープ……明らかにマズい配置だな。それにこの輪っか、スカーフか?」
天井から吊るされたロープを見上げて冷や汗をかく陽介の隣で、悠は部屋を見回してから首を横にふる。
「この部屋には出口らしきものはなさそうだな……」
「そ、そうだね。それにここ気味悪いし……。行こう。早くこの部屋を出よう?」
千枝に促され、青野達五人が別の場所を調べ行こうと部屋を出た時、彼らは「ソレ」と出会った。
ソレは子供くらいの背丈で、何かの動物をデフォルトした着ぐるみのような外見だった。
「き、君達は誰クマ!?」
謎の着ぐるみは驚いたように北斗達を指差す。
「喋った?」
「何だコイツ?」
「クマはクマクマ。ずーっとここに住んでるクマ! そんなことより、君達は早く『あっち』に帰るクマ」
陽介と千枝の質問に、クマと名乗る着ぐるみは何かに怯えるように辺りを見回しながら答えると、悠に何かを押しつけるように手渡した。
「……これは、眼鏡?」
「そ、それを使って早く帰るクマ。じゃないとシャドウが、シャドウが……」
そこまでクマが言ったところで……、
ぐぅおおお……!
何処からか獣のような声が聞こえてきた。
「シャ、シャドウが来たクマーーーーー!」
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