暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜ニ人目の双剣使い〜
鋼糸
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…」

引き際が見極められない者は雑兵にも劣る
今回のタイムリミットはユウキの持つ剣の耐久値がゼロになるまでだったのだがユウキは見極めることができなかった

「ユウキはたしかに強い。だが、学ぶことは多くある。今だって学んだことがあるだろ?」

「うん……」

「なら、それを生かせるように努力するべきだな」

闇の中に光る目がだんだんと増えていく。俺の索敵できる範囲内には敵を示す光点が二桁になっていた

「さてと……少し散らしたら走るから準備はしておいてくれ」

「リン……ボクは武器を持ってないよ?」

「大丈夫だ。ユウキは俺が守るからな」

心配そうなユウキの頭に手を置いてニ、三回撫でる

「うー……うん、わかった」

素直にユウキが頷くのを見ながらアイテムポーチから鋼糸を取り出す

まだ練習中で他人との協力中ではフレンドリーファイアが怖くて使えないのだが、一人の時かつ対雑魚多数の時には役に立つ

手首を返し、試しにそこら辺にいたヘイトウルフを粉々にしてみる

……精度がイマイチ

「それ……鋼糸?」

「そうだ。まだ練習中だがな」

二刀流を使う時の補助用に使うつもりで練習を始めたんだがな
某白い悪魔の一家が使ってるらしいし

「練習中って……」

「心配するなって。ユウキには指一本触れさせないからよ」

「……ニコポっ……」

「そう言えるうちは大丈夫だ」

アホなことを言い出したユウキに裏拳を打ち込む
……鋼糸がその動きについてきてユウキに絡まったけど気にしない

「痛い、痛い、痛い! 首に食い込んでる!」

「ペインアブソーバは正常だ。だから騒ぐな」

俺が鋼糸を振るう度にユウキが騒ぐ
多分だが、首に来る圧迫感からファントムペインでも感じているんだろうが、実害は微々たる継続ダメージだけなので放っておく

「リ、リン? ボクは一応女の子なんだよ?」

「だからどうした。俺は男女差別をする気はさらさら無いし、例え女性でもやたらとアレなやつとかいるしな」

直葉とか明日奈とか
むしろ女性の方が男性よりも強くないか?

「リンの交友関係について小一時間ほど問い詰めたいけど今はそれよりも……」

「それよりも?」

「体力がそろそろ赤くなりそうなんだけど……」

「……案外ダメージ高いんだな。さすがに高い金を払っただけはある」

ある程度ヘイトウルフを刈ったため、鋼糸をストレージにしまう

ちなみにこの鋼糸はリズベットのオーダーメイドだ
ワンオフだからかめちゃくちゃぼったくられたのはいい思い出

「さてと、さっさとアルンまで走り抜けるか……」

「できるの?」

「もちろん。……ユウキ、舌を噛むなよ?」
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