第7話 管理局の教導官と執務官が修羅場すぎる
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誰かを救える力を与えてくれた人なのだ。
そんなユーノからの告白。
なのはとユーノの関係は単純な男女の絆を超えているだろう。それは仲間であり、家族に近い。
そこまでの仲になれば、告白をするのは容易ではない。
けれどユーノは勇気を出して告白した。
今の関係を壊す可能性があるにも係わらずだ。
そんなユーノの勇気を、想いを無視する事は確かにユーノに対する裏切りなのかもしれない。
「―――っ!!」
泣きそうな顔をしたと同時に、なのははその場から駆け出した。そして部屋を出て行く。
「なのはちゃんっ!?」
今まで静観…というより、見ているしか出来なかったはやては、なのはを追いかけようと、走り出す。
はやては部屋の入口まで走り、そこで立ち止まった。そしてリクの方へ振り向く。
そこには。
「いっぺん話あわんといかんなぁ」
ただ、そう言って部屋を出て行った。
残ったのはフェイトとリクだけだ。重苦しい沈黙が室内を支配する。
(な、なんでこんな事になっている…)
リクは現在の面倒すぎる事態に頭を抱えたくなった。
もとはと言えば下心を抱いたままこの部屋に来、さらに半ば本気でなのはを口説きにかかったリクが悪いのだが、フェイトが自分に惚れている事など予想すら出来なかったので、リクは自分は悪くないと言い聞かせる。
(そうだ、俺は悪く…って俺が悪いのか…)
結局リクが悪かった。
だからリクは動く。
現状をなんとか解決する為に。
「フェイト隊長」
「…………………………」
しかしフェイトは答えない。
少しだけ待ってみるものの、フェイトが反応する素振りはみせない。
「フェイト隊長?」
リクが二度読んだとき、フェイトは今にも泣きそうな…いや、ほとんど涙声で話し始めた。
「どうしよう…。なのはに…なのはに酷い事言っちゃった…」
「まあ、確かにキツイ事言ってましたね」
無駄なフォローなどする気もないリクは、思っている事を素直に告げる。
が、現在非常にメンタルが脆弱になっているフェイトには、リクの言葉はグサリと胸に突き刺さる。
「うわーん!どうしよー!!」
管理局を代表する執務官はどこへやら、フェイトは情けない声で泣きはじめる。まるで子供の号泣そのものに、先程までの緊張感はあっという間に霧散していく。
正直リクは、今のフェイトは面倒このうえない。
しかし、この状況の一旦はリクにもあるので、放置というわけにもいかないのである。
「フェイト隊長。そんなに気落ちしなくても高町隊長なら誤れば許してくれるかと」
「そ、そうかな?」
「そうですよ」
「そっか。なら明日謝ってこよう」
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