第四十七話 これがホントの社会勉強だ!
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闘悟は男の申し出を受けた。
三人の男はニヤッとする。
獲物がかかったとでも思っているのかもしれない。
しかし、他の者は全員眉を寄せている。
どうやら男達のすることに気づいているのだろう。
もしかしたら、こうして三人の男達にターゲットにされた者が数多くいたのかもしれない。
だが、誰も何も言わない。
言えば自分達に被害が及ぶと考えている。
それだけでも、三人の男達の評価が窺い知れる。
それなりの実力は持ってはいるが、一度事を起こすと手がつけられないのだろう。
乱暴者の登録者ってところか。
闘悟は男達の分析が終わり、フッと口角(こうかく)を上げる。
「よ〜し、俺は一歩も動かねえ。さあ、いつでも来い小僧!」
待ち切れないといった感じで急かしてくる。
闘悟はジリッと距離を詰めようとしたところ、アンシーが声を発した。
「あ、あのトーゴさん! これは……っ!?」
その言葉の続きを言おうとした時、手をかざして止めたのは、男達ではなく闘悟だった。
「え……?」
そして、闘悟は人差し指を立てて口元に持っていく。
無声音(むせいおん)で口だけを動かす。
だ・い・じょ・う・ぶ。
その行為を見てアンシーは何も発せなくなった。
男達もそのやり取りを不審に眺めていた。
「早くきやがれ! それともビビったか! ああ?」
闘悟は微笑を崩さず男を見る。
「行くぞ?」
すると、闘悟は無造作に歩を進める。
男は宣言通り一歩も動きはしない。
そのため簡単に男の懐に入れる。
その時、ほとんどの者は息を飲んだ。
殴られる。
皆がそう思った。
三人の男達も愉悦な表情をする。
「ははは! 甘いわ小僧っ!!!」
男は力一杯拳を握りしめて、闘悟に向けて振りかぶった。
その拳には男の魔力が込められてある。
バシィィィッッ!!!
そんな小気味いい音が周囲に響く。
アンシーは見ていられず目を閉じた。
ほとんどの者は、闘悟の体を心配して目を閉じていた。
だが、男の拳がぶつかって音がしたのは、闘悟の人差し指だった。
魔力と魔力が衝突し、衝撃音を生んだのだ。
それに気づいた男は顔を引き攣(つ)らせる。
「なっ……ななな……っ!?」
言葉にならない衝撃が走る。
今、目の前に写っているのは現実なのか分からなかった。
何故なら、自分の渾身(こんしん)を込めた一撃、闘悟を粉砕しようとした一撃が、その闘悟に指一本で防がれていたのだ。
その事実をあっさり受け入れられる者などいないだろう。
男の驚く声で、目を閉じていた
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