第八話 Lovers Returned
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夕刻─NERV北米第二支部、テストルーム。
04と書かれたエントリープラグが一本、液体に半分ほど使っている。外見こそ二本で使われている物と同じだが、中身は全然違う。
通常は二つしかないインテリアが、上下に二つ連なっている。それぞれに操縦桿があり、上のインテリアにはヨウジ、下のインテリアにはサトミ。二人とも同じ色のプラグスーツを着ている。
ダブルエントリーシステム。これが北米第二支部が秘密裏に進め、二人が被験者である新しいエントリーシステムだ。ダブルエントリーシステムでは、シンクロ率は多少落ちるものの、A.T.フィールドの強度、パワー、俊敏性などが格段にアップする。
また二人の乗るエヴァンゲリオン4号機ではS?機関の搭載実験も進められていた。S?機関を積んだダブルエントリーシステムのエヴァンゲリオン。これが完成すれば、日本が二機のエヴァによって維持していた世界のパワーバランスが、一挙に崩れ去るだろう。
よって、毎回の実験には支部長までもが見学に訪れていた。
「二人とももう上がってOKよ。今回もまぁまぁね」
実験担当の女性の科学者がそう言いつつ、モニターの中のヨウジに向かってウインクをした。
「そうでしたか」
ヨウジがにこやかな表情で返事をする。一方下のインテリアに座るサトミの表情はムカついている。
何故彼女がそんな表情をするのか、ヨウジは気づいている。
「第138定期シンクロテストをこれにて終了。シンクロ切断して」
「はい」
シンクロが切られ、周りの風景は鉄の壁に戻る。それと同時に二人はL.C.Lの中で溜息をついた。小さな気泡がプラグ内を登っていく。
「ったく…俺が他の女に声かけられたぐらいで嫉妬すんなって。藤城。仕事だろう」
ダブルエントリーシステムの他の特徴に、パイロット同士もエヴァを介してシンクロするという事があった。シンクロ中は互いの意識は繋がれ、相手が考えている事、相手の記憶が手に取るように分かる。
あの時、ヨウジはサトミがいじけるのが瞬時に分かった。最近こういう事が多い。
「ねぇ、カヤマ」
サトミは頬杖をついて話し始めた。ヨウジの方を向かずに。
「今日、ちょっと私の部屋に寄って」
サトミの様な美少女にこんな事を言われれば、普通の14歳の男子ならいろいろな事を想像する…。しかし、ヨウジは違った。
「わかった…」
そう答えた口調は、三十代か四十代、いやそれ以上の大人の男の様な物だった。サトミの口調も大人びる。
「ありがとう…」
L.C.Lに光が差す。ハッチが開き、作業員たちがプラグ内を覗き込む。
「早く上がろうぜ、葛城」
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