第1話
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
さることながら、その目についていける身体能力も目を見張るものがある。
「面ッ!」
そして、攻撃の一瞬の停滞をついた面。僕はその隙を見事に突かれてしまった。渚の竹刀は僕の頭上数センチというところで、止まっている。
「僕の勝ち」
「・・・・・そうだね」
畜生・・・・・。結果はいつも僕の負けだ。
「それじゃあ、僕はもう帰るよ」
彼はそう言って、テキパキと防具を片づけて去っていった。
■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■
「あら、祐斗。遅かったじゃない?」
「すみません」
あの試合の後、僕は剣道部の部長さんにお礼を言って、オカルト研究部にきていた。室内のいたるところに文字が書き込まれている。普通の人からしたらかなり変わった部屋だ。
「どうかしたの?」
出迎えてくれたのは、部長にして僕の主のリアス・グレモリー。見ると、僕以外の眷属は僧侶の一人を除き全員そろっていた。
「いえ、僕もまだまだだなと」
確かに、騎士としての力は使ってないけど、彼と僕では地力が違いすぎる。以前に悪魔の身体能力も使わないでやったことがあるが、彼は僕の初撃をカウンターで合わせ、一本を取っている。おそらく、騎士の力を使っても、ギリギリ勝てると言ったところだろう。いや、もしかしたら勝てないかもしれない。うぬぼれではなくて、僕には才能があるだろう。しかし、渚の前ではその才能は霞む。
「・・・・・・どういうことですか?」
この子は、塔城小猫ちゃん。小柄で無口な子だ。駒は戦車。
「うん。部長? 兵藤渚って知っていますか?」
「ええ、知っているわ。女の子みたいな男の子でしょう。去年は剣道の全国大会で優勝していたし、彼、有名ですもの」
どうやら、知っていたようだ。確かに、渚はいろんな意味で有名なので知っていてもおかしくはない。
「あらあら、その子がどうかしたのですか?」
この女性は、オカルト研究部副部長の姫島朱乃。ポニーテールが特徴のいつもニコニコ笑っているが実はドSな先輩だ。駒は女王。
「実は、彼と剣道で試合をしてきたんですが、結果はボロ負けでしたよ」
全員が驚いた顔で僕を見てくる。
「もちろん、騎士の力は使ってませんが使っていませんが、それでも彼は僕の竹刀を受けることはありませんでした。全部見切られて、体捌きだけで避けられたんです。地力の差、才能の差を感じました。全国大会優勝は伊達じゃないですよ」
「・・・・・・・・それは、事実なの? 駒の特性を使用しなかったということは、悪魔自体の身体能力で戦ったのでしょう?」
みんな
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ