護堂とエリカと
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・・・・・・あの子、何処に行ったの?」
自分と一緒に病院に来た所までは覚えている。だが、その後、全く見た覚えがないのだ。
「ゴメン、ちょっと席を外すわ。」
【赤銅黒十字】の仲間が彼女を見張っている筈だと思い、聞きに行こうとしたのだが・・・
『その必要はないよ。あの方の行方は、私が知っている。』
突然、病室の中に、美しい女性の声が響いた。
「「!!」」
護堂とエリカは、何時でも行動出来るように、一瞬で態勢を整えた。
『そう警戒しなくてもいい・・・。何せ、私にはもう、どうすることも出来ないのだから、ね・・・。』
その声は、窓から聞こえてきていた。
「・・・猫・・・?」
「使い魔ね?」
元の毛並みは、さぞ美しかっただろう。だが、今は見る影もない。その猫の体は、既にボロボロであった。体中から血を吹き出し、片目は潰れている。死に体の使い魔であった。
「ど、どうしたんだよ!?」
『呪力も全く残っていない私では、あの神の権能に逆らう事が出来ないのだよ・・・。長年を連れ添ったこの使い魔も、狂気に犯されて自傷行為を繰り返し・・・斯く言う私も、同じような体だ。この身が狂気に犯されているのは理解しているが、それでも傷付ける事を止めることが出来ない・・・。恐ろしいね、この権能は。』
何が起こっているのか全く分からない二人に構わず、話し続ける黒猫。
『霊視が成功したのだよ。この事態をどうにか出来る可能性のある人間の。・・・それが、君だ草薙護堂。』
「お・・・俺が?」
『あの神に寵愛され、世界で唯一、あの権能の効果を全く受け付けない人間。どうか、貴方の力を、貸して欲しい。』
黒猫は、お辞儀をするかのように頭を下げた。
『まつろわぬナイアーラトテップを、救ってはもらえないだろうか?』
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