第一話、時の庭園
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へと。
「どうしてそれを早く言わないのよ!?」
「それは…ぐっ、貴女が捨てて、こいっごふっ、て言うか…首、首締まってる!」
襟を掴んでグワングワン揺すってくるプレシアにタップしながら、リニスは黒い笑みを浮かべていた。
(ふふふ……これでうまくいけば全てがハッピーエンドですね)
「………」
倒れていた少年を治療したリニスはお母さんの元にこのことを報告しに行ってしまい、私は今、目覚める様子もないこの子の様子を一人で見ていた。
でも、このことを報告してしまったらお母さんは多分、捨ててこいって言うんじゃないのかな?でもリニスにそのつもりはないみたいだったし……そういえばそのことを直接聞いたときに、リニスは黒い笑みを浮かべてたっけ。あんなリニス、久しぶりに見たなぁ。
そんなことを脈絡もなく考えながら、私はなんとなくベッドの上で眠る少年に目を向けた。
不思議な少年。それが、私が彼に抱いた第一印象だった。もちろん、あんなところに一人で倒れていたことも不思議だし。なにより、この少年の纏う雰囲気というか、むしろ存在そのものが、触れたら消えてしまいそうな、そんな儚さを持っていた。
そっと手を伸ばして、少年の頬に触れる。この子は、一体なぜ一人で、それに傷だらけで倒れていたのだろうか。それは聞いてみないと分からない。けど、この少年が壊れてしまわないように、消えてしまわないように私が守ってあげなきゃダメだ。
なぜか私は、そう心に決めていた。
ーーto be continuedーー
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