第四章 空白期編
第九十七話 『愛の証明編 前世の記憶を持つ少女と狂王』
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「いや、今のところはそんなに大きな事件は起きていない。いたって平和だよ。うちの課は」
アインスとそんなとりとめのない会話をしながらも帰りの道を歩いている。
ふとアインスが何度も手を出したり引っ込めたりしている光景を目にし、前にはやてから、
『ええか、士郎? もしこんな仕草をしていたらしっかりとエスコートしてやるんやで!』
という言葉をもらっている。
なので私は素直にアインスのその手を握ってやった。
すると「パァッ!」と喜ぶ表情をしてくれたので正解だったようだ。
「…あのー、ご主人様にアインス? 私の存在を忘れていませんか〜?」
「「ッ!?」」
それで思わずパッと同時に手を離す私とアインス。
「いいですよー。どうせ私はそこらへんの木と一緒の扱いでも一向に構いませんから〜」
どうやらキャスターが拗ねてしまったようだ。
空気が重い。
さて、どうするべきかと思っていた、そんな時だった。
「ッ!?」
強烈な殺気の視線を感じ直感に従い私はアインスを腕に抱え横に飛んだ。
「士郎!?」
「ご主人様! サーヴァントの気配です!」
「分かっている!」
それで先程まで私達がいた場所に目を向けるとそこには赤いサーベルを振り下ろしていてアスファルトを融かしている一人の男がいた。
格好は白い騎士服に銀色の篭手、赤い十字剣のマークが入った黒いマントを羽織っている。
銀髪で青い瞳。しかし左目には切られたような線の切れ込みが入っていた。
そして重要なのがその私に向けてくる目が憎悪に彩られていることだ。
「何者だ…? サーヴァントだというのだから名を名乗れ」
「私は“アヴェンジャー”。フハハハハハハハハハ!! 会いたかった…会いたかったぞ!! 衛っぇ宮ぁぁっ士郎ぉぉ!!!」
アヴェンジャーと名乗る男はその手のサーベルを構えて疾駆してくる。
そのスピードときたら常人を遥かに上回っている。
キャスターがなんとか鏡を盾にして防ぐが、
「なぜいきなり仕掛けてくるんだ!?」
「なぜだと…? そうか、貴様は“あの”衛宮士郎ではないということか。しかし、そんな事は関係ない…逆恨みだろうとエミヤの名を冠するものには死を!!」
それで何度もサーベルをキャスターと打ち合いぶつけてくる。
「くっ、っ!」
なんとかキャスターは防いでいるが、
「キャスターごときが私の前に立つな!!」
「きゃあっ!?」
回し蹴りをキャスターに食らわせてキャスターは吹き飛ばされてしまう。
「士郎! 私達も!」
「いや、待てアインス。あのサーベルは危険だ! 解析で調べてみたがあれは刺した瞬間に熱エネルギーで爆発を起こす! だからアインスは下がっていてくれ!」
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