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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
原作開始【第一巻相当】
第十八話「修行中」
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肉くらい違います。……良ければどう違うのか教えて差し上げますが?」


「いやいい。人間の俺には分かりそうにないしな」


「そうですか。……残念です」


 ハクは九尾の狐で動物だからな、人間にはない味覚を持ってるのかも。


「あれ? 須藤先生じゃないですか」


「ん? おお、宮本か。お前も食事か?」


 背後から陽気に声を掛けてきたのは二年の宮本灰次。二年生でありながら空手部主将であり、義に篤い男だ。


 宮本の持つトレーには典型的な和食が乗せられている。メニューは鮭の塩焼きになめこの味噌汁、漬物か。


「相席いいっすか?」


「ああ。かまわんよ」


 正面の席に座る宮本。キャベツをもりもり食べていたハクはチラッと横目に一瞥しただけで何も言わなかった。


「お前は相変わらずその恰好なんだな」


「これがオレの正装ですから」


 空手部主将である宮本は常に胴着を着込んでいる。水泳の授業など特別な理由が無い限り服装を変えない主義だ。胴着姿はなかなか堂に入っており凛々しさを際立てている。持ち前の明るさも加えて一見良い男に見える。


「そうだ先生、聞いてくださいよ! この間可愛い幼女を見つけたんですよ!」


「はぁ?」


 ご飯粒を飛ばしながら目を輝かせた宮間はいきなり唐突もないことを口にした。


「あれは一年生ですね。着物を着た白髪の女の子なんですよ! 見たのは一瞬でしたけど、クールな感じで、よかったなぁ……」


 ――これがなければモテるんだろうな……なんともったいない。


 爽やかな風貌で人当たりもよく、それでいて成績優秀、運動神経は言わずもがな。一見、誰にでもモテそうな宮本だが、一つだけ欠点がある。


 それが“幼女趣味”だ。


 幼児体型をこよなく愛するこの男は背の低い童顔な少女しか目に入らない。幸い、そういった女子は愛でる対象であって性的興奮は感じられないといった点か。本人談のため確証は持てないが。


「あの凍てつく氷のような澄ました雰囲気がギャップがあっていいんですよ! ああっ、お近付きになりたいなぁ!」


 ――……確証はないが。


 そして、ハクよ。なぜ固まっている?





   †                    †                    †





 時刻は午後の七時を回ったところ。今日の業務を終えた俺は再び青野の修業につきあうことに。


 裏稼業の方も頻繁に依頼が来るわけでなく、ここ一週間のスケジュールはスローペースでゆったりとした時間が過ごせている。そのため、こうして青野の修業に時間を割くことが
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