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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
原作開始【第一巻相当】
第十八話「修行中」
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チェヤー!」などの掛け声が聞こえる。
厨房は食堂から透明ガラス越に見えるように作られている。そこには中華鍋を振るっている御手洗シェフが調理に勤しんでいた。他にもスタッフたちが忙しなく動いている。
「相変わらず忙しそうだな、ここは」
「千夜じゃないカ! もちろん厨房はコックの戦場ネ!」
コック長はニカッと人懐っこい笑みを浮かべた。
コック長を任されている御手洗シェフは身長が二メートル近くある大柄な体型をしている。
やや肥満傾向にある身体を包む調理服は、はち切れんばかりの筋肉でぱつんぱつん。なぜか下半身より上半身の筋肉が発達しており、自称『料理の妖怪』の異名に相応しい知識と調理技術を有している。
「メニューはどうするネ?」
「俺はいつもので。ハクは?」
「長野産のキャベツ炒めでお願いします」
「須藤スペシャルメニューに超手抜き炒めネ、まかせるヨ! 出来上がるまで十二分三十秒待っネ! ――おら野郎ども! 戦争の時間だッ!」
『ウィ、ボス!』
御手洗シェフの掛け声を合図に一斉に動き出すシェフたち。
「ホォォォアタタタタタタタタッ!! ――貴様はもう刻まれている」
「俺の中華鍋が真っ赤に燃える! 野菜を炒めろと轟き叫ぶ!」
「貴様の血は何色だぁぁぁ!! あ、血抜きしたんだった」
――今一、シェフたちのテンションにはついていけない部分があるが……。
きっちり十二分三十秒ピッタリに出来上がった料理を運び、適当な場所の席に座った俺たちは早速昼食を頂く。
俺のメニューは俗に須藤スペシャルと呼ばれるもので、ご飯三合に卵を十玉使ったデラックスなオムライスと、卵を五玉使ったジャンボな目玉焼きだ。何故かこいつを食すのは俺だけで、 気がつけば須藤専用メニューに昇華していたりする。ちなみに、俺の好物は卵料理だ。
ハクの料理はキャベツを炒めただけの料理と呼べるかわからないメニューだ。調味料もなにもない、ただ単に火を通しただけのキャベツ。
拘りがあるらしく、キャベツでは長野産か秋田産、肉では松坂の霜降り肉を好んで食べる。なんとも贅沢な奴だ。
そういえばハクと出会った日に与えた食べ物が霜降り肉だったな。それで味を占めたのかも。まあ、金銭的に余裕があるから構わないが。
「やはりキャベツは長野産か秋田産に限りますね。野菜の風味を残しながらのこのシャキシャキ感……腕を上げましたね」
もりもりキャベツをかじっていたハクがほぅ、と吐息を溢した。ご満悦な様子でなによりだ。
「よくわからんが、違うのか?」
「全然違いますね。ひき肉と霜降り
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