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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
原作開始【第一巻相当】
第十八話「修行中」
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〜!」
「頭も良いだなんて、流石だー!」
「朱染さんって、英語ペラペラ?」
「容姿端麗で頭脳明晰、私たちが勝てるところって……」
澄んだ声で英語をスラスラと読み上げるその姿に男子どもの目が釘付けだ。女子は女子で嫉妬と羨望が混じった複雑な視線を向けている。
――そういえば萌香は昔から真面目で、勉強熱心な子だったな。相変わらず勤勉なようで兄としても鼻が高い。
終始落ち着いた姿勢で英文を読み上げた萌香を褒める。子供は褒めると伸びが良いのだ。
「じゃあ今の英文を今度は日本語に訳せ。青野」
「えっ、お、俺ですか!?」
「お前以外に青野はいるのか?」
あたふたと席を立った青野が教科書を手にする。
「ええっと……に、日本の家では、ご飯と……み、味噌汁を、作っています?」
眉根を寄せて滅茶苦茶な解釈をする青野。こっちはあまり勤勉とは言えないようだ。
「……日本の伝統的な日常食は、ご飯に焼き魚や野菜などの二、三種類のおかずと、味噌汁と漬け物といったようなものです、だ。青野も少しは勉強癖というのをつけろ。せめて予習復習くらいはして来い」
ため息交じりでそう言うと、青野は羞恥で顔を赤くした。
「知識は生きる上で様々な役に立つからな。身に付けておいて損は無い。今からでも知識を吸収することに貪欲になれ。青野だけじゃないからなー」
他人事のように聞いている生徒たちにしっかりと釘を刺し、授業を再開する。
――取りあえず、青野は英語が苦手だと分かったから、英語も修業に加えるか……。
† † †
時間は進み、昼時。チャイムの音を耳にした俺は背もたれに寄りかかり大きく伸びをした。
ほとんどのヒトが授業に出ているため、職員室には数えるくらいしかヒトがいない。
定位置である肩の上に乗ったハクがつぶらな瞳で俺を見上げた。
「今日は食堂ですか?」
「ああ、たまにはな。御手洗シェフの作る料理は絶品だし」
「確かに、あの味はなかなか出せるものではありませんからね」
ハクも御手洗シェフが作る料理には大変満足してる様子。うんうん頷いていたハクは頬に顔を摺り寄せてきた。
「でも、私は千夜の作るご飯、好きですよ?」
「ははっ、ありがとうな」
そんないじらしいことを言ってくれる愛狐の頭を撫でて食堂に向かう。
食堂は大きなコの字型をしている。席はぼちぼち空いており食堂からは御手洗シェフの「ハイヤー!
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